Raspberry Piで3Dイメージングを手頃な価格で——「ToF Camera for Raspberry Pi」
2022/09/12 11:20
3D ToF(Time-of-Flight)システムを搭載したRaspberry Pi用カメラモジュール「ToF Camera for Raspberry Pi」がKickstarterに登場し、キャンペーン開始当日に目標額を達成するほど人気を集めている。
ToF Camera for Raspberry Piは、光源から照射した光が対象物の表面で反射して戻るまでの時間を利用して、対象物との距離や深度情報を測定し可視化するカメラモジュールだ。開発元は以前fabcrossで紹介した、AF機能付きRaspberry Pi用16Mカメラモジュール「Arducam」のクラウドファンディングを成功させた中国のArducamだ。
ToF Camera for Raspberry Piのサイズは38×38mm、有効画素数は240×180、センサーサイズは1/6インチ、視野角は70度だ。波長940nmの垂直共振器型面発光レーザー(VCSEL)を光源とする。MIPIインターフェースを備え、最大フレームレートはRaspberry Pi 4/CM4と接続した場合で30fpsだ。ほぼ全てのRaspberry Piモデルに対応するが、初期モデルでは性能が落ちる可能性がある。
測定可能距離は最小150mmで、近距離モードでは最大2m、遠距離モードでは最大4mだ。屋内だけでなく屋外でも利用できるが、対象物表面の反射率が高い場合は問題が生じるという。
C、C++、Python対応のSDKを用意しており、標準的なVideo for Linux 2(V4L2)カメラとしても使える。また、Raspberry Piだけでなく、Jetson Nano/NXでも動作する。OpenCVやTensorFlowなどのライブラリーに対応しており、コンピュータービジョン(CV)アプリケーションを低コストで作成できる。
ToF Camera for Raspberry Piのキャンペーン価格は235香港ドル(約4300円)。出荷は2022年11月の予定で、日本への送料は47香港ドル(約860円)だ。CSI-HDMIアダプター付きセットやCSI-LAN付きキットも用意しており、キャンペーン価格はそれぞれ345香港ドル(約6300円)と627香港ドル(約1万2000円)。日本への送料は55香港ドル(約1000円)だ。
ToF Camera for Raspberry Piは、2022年9月30日までクラウドファンディングを実施中。2022年9月12日時点で、2万3542香港ドル(約43万円)の目標額の11倍を上回る約26万5000香港ドル(約480万円)を集めている。