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NASAが宇宙開発の実績を活かして、深海探査ロボットをテスト中

Credits: Nauticus Robotics Inc.

米NASAのジョンソン宇宙センターに所属するロボット工学チームは、米Nauticus Roboticsと協力し、海事産業のコスト削減につながる潜水ロボット「Aquanaut」を開発中だ。その状況を、2022年8月4日更新のNASAの記事が伝えている。

かつてNASAと米GM(ゼネラルモーターズ)が開発した人型ロボット「Robonaut 2」は、2011年に国際宇宙ステーションで運用され、宇宙飛行士のアシスタントとして活躍した。Nauticus Roboticsには、当時Robonaut 2の開発に携わった元NASAエンジニアが約20人在籍し、潜水ロボットAquanautの開発に加わっている。

既存の潜水ロボットは、操作者のコンソール機器との間はケーブルで接続され、高速データ転送や繊細な制御ができる。しかしその裏には、海上に巨大な支援船が必要であり、費用は1日あたり約10万ドル(約1380万円)で、70トンの温室効果ガスが排出される。一方、宇宙空間で活動するロボットが使用できる通信速度は限定的で、例えればダイアルアップ回線のようなものだという。Aquanautは、宇宙空間用ロボットと同じく、遠隔地のコントロールセンターから最小限の監視のもとで自律的に作業する。

Aquanautの外観は、鮮やかなオレンジ色でスポーツカーほどの大きさだ。電動によるプロペラ推進で、魚雷のような姿で目的地に到達する。作業の開始前にシェル(カバー)を開くと、カメラやセンサーが正面に現れる。そして2本の腕を持ち、さまざまなアタッチメントを使用できるロボットに変身する。

Aquanautの用途は、沖合の石油やガス生産施設、海洋風力発電設備の点検と整備、また海中養殖場の網や籠の定期清掃と点検など想定している。

fabcross for エンジニアより転載)

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