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パッシブグリッパーのための新しいジェネレーティブデザインツール——3Dプリント可能なパッシブグリッパーを設計

University of Washington

ワシントン大学の研究チームが、組立ラインで再活用できるように、3Dプリント可能なパッシブグリッパーを設計し、物体を持ち上げるための最適経路を計算できるツールを開発した。同研究成果は2022年7月22日、「ACM Transactions on Graphics」に掲載された。

アクティブグリッパーは多用途に使えるが、制御が難しいという問題がある。対してパッシブグリッパーは、作動を伴わないグリッパーで、よりシンプルだが、持ち上げられる物体の形状が限られてしまう。

理論上は、タスクごとにグリッパーを取り替えることができれば、ロボットはほとんどどんな物体でも持ち上げられる。コストを抑えるために、そのグリッパーをパッシブグリッパーにすることが可能かもしれない。

研究チームは、パッシブグリッパーのための新しいジェネレーティブデザインツールを提案した。具体的には、3Dプリント可能なパッシブグリッパーを設計し、衝突することなくその物体に近づく差し込み軌道を計算するアルゴリズムを開発した。

新しいグリッパーと軌道を設計する際、まず、対象物の3Dモデルとその向きの情報をコンピューターに与える。開発したアルゴリズムでは、持ち上げ可能なグリッパーの形状を複数生成し、持ち上げる際の安定性やその他の指標に基づいてランク付けする。そして、最適な選択肢を選び、差し込み可能な軌道があるか探すため、協調最適化する。見つからない場合は、リストの次のグリッパー形状に進んで、もう1度協調最適化を試みる。コンピューターは、適したグリッパー形状と経路を見つけると、3Dプリンターでグリッパーを作製し、グリッパーを取り付けたロボットアームの軌道を指示する。

研究チームは、3Dプリントされたウサギやドアストッパー、テニスボール、ドリルなどの22種類の物体で、実際に設計したグリッパーと経路を評価した結果、20個の物体で成功を確認した。失敗した2つの物体では、コンピューターに与えられた対象物の3Dモデルに問題があった。

同アルゴリズムは、人間が介入しない場合でさえも、同じような形状の物体に対して同じ把持戦略を開発した。つまり、物体ごとに専用のグリッパーを用意する必要がないことを意味し、一群の物体を持ち上げられるパッシブグリッパーの作製が期待できる。

fabcross for エンジニアより転載)

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