欧州共同研究機関が核融合原型炉「DEMO」建設に向け前進
2022/10/06 07:30
欧州各国の核融合研究機関からなるコンソーシアムEUROfusionが、核融合による発電実証に用いる原型炉「DEMO」の現状を明らかにした。
DEMO建設に向けて、2014~2020年にかけてプレ概念設計を完了した。その成果を核融合関連学術誌「Fusion Engineering and Design」で報告している。
DEMOは、人類初の核融合実験炉の実現を目指し、日本/EU/アメリカ/韓国/中国/ロシア/インドという7つの国と地域で進められている超大型国際プロジェクト。「ITER」(実験炉)では核融合エネルギーの科学的/技術的実証に取り組み、続いてDEMOにおいて発電を実証する。EUROfusionのDEMOはITERと同様にトカマク型を採用し、300〜500MWの発電に加え、リモートメンテナンスやトリチウム増殖など核融合発電に不可欠な技術の実証を目的としている。責任者の1人は「DEMOの研究開発はITERで得た経験から大いに恩恵を受けている」と明かした。
EUROfusionは2050年代からのDEMOでの発電開始を目指している。概念設計の次に工学設計のフェーズを経て、2040年から調達/建設に入る計画だ。
(fabcross for エンジニアより転載)