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木製品を製造できる、環境に優しい植物由来の3Dプリンター用インクを開発

American Chemical Society/YouTube

イスラエルのエルサレム・ヘブライ大学の研究チームが、木材の反りを利用した3Dプリント技術と植物由来の環境に優しい水性インクを開発した。同インクは、平らに印刷されると、乾燥する段階であらかじめ設計した立体形状に自己変形する。将来の再利用可能な木製家具の製造技術として期待されている。

研究チームは、「木粉」と呼ばれる木くずの微粒子に、植物から抽出した天然接着剤であるセルロースナノ結晶とキシログルカンを混合したインクを開発した。インクを3Dプリンターに装填し、平らな2Dのオブジェクトを印刷する際、印刷パターンと速度を制御することで、複雑な物体を作製できることを発見した。例えば、印刷速度が遅いと、微粒子はランダムに配向し、等方的な収縮が生じる。一方、印刷速度が速いと、異方的な収縮が生じる。その結果、反りの度合いが制御可能となる。

通常、乾燥したときの木材の反る形は、自然と決まっている。開発した技術では、木材内部の構造を制御できるため、反りを利用して木製品の形状を制御できる。研究チームは、同技術を使って、これまでにサドル型やドーム型、らせん型の模型造形に成功した。印刷した木材は通常の木材と同じ強度と耐久性を保てるため、家具のようなより複雑で大きな製品も作れると考えている。

印刷した木材は元の木材の美観を維持し、ユーザーはマツやオークのような異なる種類の木材を選択可能だ。また、粉砕と印刷の工程を経た後でも元の木の種類に応じた独特の香りがするという。

同研究に参加した博士課程の学生Doron Kam氏は、「3、4年使用した後、粉砕し、再び印刷する。これがわれわれの製品における持続可能性です。生活費が高騰し続ける中、消費者が再利用可能な3Dプリントの木製品を目にする機会はもう間近に来ているのです」と述べた。

fabcross for エンジニアより転載)

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