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マウスが仮想現実の世界を探索——実験用マウス向けRaspberry Pi搭載VRシステム

Raspberry Pi公式ブログが、実験用マウス向け「mouseVRheadset」を紹介した。mouseVRheadsetは、米コーネル大学のSchaffer-Nishimura Labがマウスの神経科学と行動学を研究するために開発したVRシステムだ。

この研究では、球状のトレッドミル上を走らせるマウスの頭部を固定して、mouseVRheadsetの円形ディスプレイ2枚をマウスのそれぞれの目に向けて設置し、ディスプレイにVR映像を出力する。

mouseVRheadset

ヘッドセットに相当する部分は、Raspberry Pi 4、ビデオゲームエンジン「Godot」に加え、ディスプレイを制御するカスタムディスプレイドライバーで駆動する。ハードウェアは3Dプリント製ケースに収納し、マウスの視野に合うようディスプレイを内側に向けて設置するためのパーツも3Dプリントできるよう設計されている。

アイピースには円形ディスプレイとフレネルレンズを使用しており、立体角が約70度であるマウスの広い視野をカバーして、マウスの目が見るシーンをほぼ無限遠の焦点距離で表示する。

フレネルレンズで覆われたディスプレイはマウスの目から15mm以下の位置に設置。フレネルレンズは、無限遠の焦点距離維持と、ディスプレイを球状にゆがませてマウスの目の周囲に広い視野角を確保するという2つの働きをする。ディスプレイは240×210ピクセルで、比較的低解像度であるため、Raspberry Pi 4のスペックでもフレームレート60fps以上でレンダリング可能だという。

mouseVRheadset
mouseVRheadset

各ディスプレイにレンダリングされる映像は別々のカメラで制御され、一般的なマウスの両目の間の距離と角度に合うよう調整されている。さらに、カスタムディスプレイシェーダーを使用することで、フレネルレンズのゆがみに合わせて各カメラからの映像をゆがませて、マウスにとってリアルで没入感のあるVR映像を出力するようにしている。

トレッドミルに向けて光学センサーを互いに直交する軸に沿って1個ずつ計2個設置し、マウスが動かすトレッドミルの動きを計測。マイクロコントローラー「Arduino Due」でセンサーからのデータを取得して、データを球体回転のヨー、ピッチ、ロールに変換する。変換されたデータはRaspberry Piに送られ、マウスの動きとしてマッピングされる。Godotがマウスの動きをVR内でのカメラの動きに変換し、映像を変化させるという仕組みだ。

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