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Raspberry Piとセンサーで温湿度を監視するIoTシステム——甲州のワイナリーが開発

山梨県甲州市勝沼のワイナリー、ヴィンヤード・キクシマが使用しているRaspberry Piベースの温湿度モニタリングシステム「Hinno」をRaspberry Pi公式ブログが紹介した。

ワイナリーのオーナーである菊島邦夫氏が作製した自作の温湿度監視システムについては以前fabcrossでも紹介したが、その後、菊島氏は、Japanese Raspberry Pi Users Groupの協力の下、2022年にHinnoを開発し、まず1つの畑に設置して、その後、他の3つの畑にもセンサーを追加した。

Vineyard Kikushima

ヴィンヤード・キクシマのブドウ畑は勝沼の急斜面に位置するものもあり、メルロー、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨンなどのブドウ品種を栽培しているが、高湿度と虫害が課題だった。開発されたIoTシステムは、農薬などの化学物質使用を最小限に抑え、ワインの味や品質を損なわずに害虫を駆除するため、農薬散布の最適なタイミングを知ることを目的として使用されている。

Hinnoは太陽電池パネルとバッテリーで動作し、Raspberry Pi 3B+がセンサーから気温や湿度のデータを収集して、1時間ごとに3G回線経由でクラウド型ダッシュボードに送信する。

Hinno

収集データは、アンビエントデーターが提供するIoT可視化クラウドサービス「Ambient」でグラフ化でき、Twitterでリアルタイムに表示させることもできるため、どこからでもモニタリングが可能だ。大気条件を監視した上で農薬の散布タイミングを判断できるため、結果的に農薬の使用量を抑えられる。

モニタリングシステムの費用は太陽光発電装置を含めて3~4万円程度で、3Gドングルを追加すると5~6万円ほど。太陽光で発電した電力は獣害対策用の電気柵にも流用できるため、太陽光発電による電力を使うことには強くこだわったという。

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