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グラフェンなどのさまざまな炭素材料をCO2から生産する方法を開発

CREDIT: MARKUS BREIG, KIT/PHOTO: MARKUS BREIG

ドイツのカールスルーエ工科大学(KIT)の研究チームが、温室効果ガスである大気のCO2からグラファイトやカーボンブラック、グラフェンなどのさまざまな炭素材料を生産する方法を開発した。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、2030年までの温度上昇を1.5度に抑える目標を達成するために、すでに排出されたCO2を除去し、持続的に貯蔵する必要性を指摘している。なぜなら、電池や建築材料、色材、農業分野などのさまざまな産業分野で必要となる炭素材料の供給源となりえるからだ。つまり、これまで通り産業製品を生み出し続けながら、気候変動対策をするためには、CO2の炭素材料への固定化が鍵となる。

CO2から炭素材料を生産する同手法は、2019年よりNECOC(Negative Carbon Dioxide to Carbon)と名付けられた研究プロジェクトの一環で、KITが中心となり、KIT発の企業INERATECとClimeworksの協力の下、進められている。プロジェクトの第1段階として、コンテナサイズの試験設備を建設、運用を開始し、1日2kgのCO2を大気中から除去し、0.5kgの炭素材料に変換することに成功した。

変換過程ではまず、CO2は吸着材で大気から分離され、マイクロ構造のリアクターに移される。ここでは、太陽エネルギーを利用した電解槽で水から製造した水素と反応し、CO2はメタンと水になる。最終的に、水は電解槽に戻り、メタンは液体スズの入った反応槽に送られる。ここでは、上昇する気泡の中で、熱分解反応によってメタンから分解された水素はCO2との反応過程に戻され、残った炭素物質は液体スズの上に微細な粒として回収される。温度などのパラメーターを変えることで、グラファイトやカーボンブラック、グラフェンなどのさまざまな炭素材料に作り分けられるという。

NECOCプロジェクトの次の段階では、規模を拡大し、最適化する予定だ。KITのLeonid Stoppel博士は、「(反応のための)高温の蓄熱槽と太陽熱の直接加熱の統合も検討しています」と説明した。

fabcross for エンジニアより転載)

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