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セメント製造の脱炭素化を目指すプロジェクト——化石燃料の代わりに集光型太陽熱エネルギーを活用

Source: Synhelion

スイスに本拠を置くクリーンエネルギー企業のSynhelionと、メキシコに本拠を置く建設資材メーカーのCEMEXは、2023年2月16日、セメント製造の脱炭素化を目指す共同プロジェクト「Solar MEAD」に対して、米エネルギー省(DOE)が320万ドル(約4億4000万円)を授与したと発表した。

Solar MEADの目的は、セメント製造時に中間製品のクリンカーを焼成する際に使用している化石燃料の代わりに、集光型太陽熱(Concentrated Solar Thermal:CST)エネルギーを使えるようにすることだ。SynhelionとCEMEXは、これまでセメント製造工程にCSTエネルギーを導入すべく共同で取り組んできた。両社は、2022年に太陽熱を利用したクリンカー生成を実証実験で初めて実現している。

Solar MEADにはSynhelionとCEMEXの他に米サンディア国立研究所も参画しており、同研究所は国立太陽熱試験施設の研究設備と対象分野の専門知識を提供する。

クリンカーは、通常、ロータリーキルンと呼ばれる回転式の窯を用いて、約1500℃の高温で焼成される。このような窯の加熱に化石燃料を使用しており、加熱時のCO2排出量はセメント製造工程全体のCO2排出量のうち、約40%を占めている。

Synhelionが開発した革新的な技術によるソーラーレシーバーにより、CSTエネルギーで1500℃を超える高温のプロセス熱を生み出せるようになり、CSTエネルギーは化石燃料の代替として期待が高まっている。

fabcross for エンジニアより転載)

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