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金属球が砂模様を描き続ける——ラズパイ制御のキネティックアートテーブル「Sisyphus」

Raspberry Pi駆動のキネティックアートテーブル「Sisyphus」を、Raspberry Pi公式ブログが紹介した。

自己表現の手段としてキネティックアートを制作し始め、アーティストとして活動するようになったBruce Shapiro氏は廃棄された産業用オートメーション部品を安く入手できることに気づき、CNCマシンとステッピングモーターをモーションコントロールに応用できると考えた。

Kinetic Art Table Sisyphus

Sisyphusは、同氏が2015年にCNCとステッピングモーターを使用して制作したキネティックアートテーブルだ。翌2016年に、一般家庭向けSisyphusの制作資金調達のためKickstarterで実施したクラウドファンディングでは、最終的に約192万ドル(約2億6000万円)を集めることに成功している。

Kinetic Art Table Sisyphus

Sisyphusは、ギリシア神話に登場するシシュフォス(シジフォス)の伝説から着想を得ている。神ゼウスすら欺いたシシュフォスは、死後、地獄で山の頂上まで岩を押し上げる労苦を何度も永遠に繰り返す刑に処せられた。

Sisyphusでは岩の代わりに金属の球を使用し、ガラステーブルの裏側にあるステッピングモーター制御の磁石が、金属球を引き寄せて移動させる。その結果、ガラストップ内に敷き詰められた砂の上に渦巻き状などの模様が作り出される。磁石を動かすこのサンドプロッター機構「Sisbot」により、絶えず砂模様を作り出す仕組みだ。

Kinetic Art Table Sisyphus
Kinetic Art Table Sisyphus

SisbotはUSBシリアルポート経由でカスタムモータードライバー基板に接続する必要があるほか、アドレス指定可能なRGBW LEDストリップ制御などの出力があり、入力にはホール効果ホームセンサーと、周囲の光量を検出するフォトトランジスターからのLED自動調光用アナログ信号などがある。

これらの入出力をRaspberry Piは全て制御でき、Wi-Fi接続したRaspberry PiでNode.js上のJavaScriptを実行し制御する方式を採用している。家庭用だけでなく、商用版や大規模インスタレーション作品のSisyphusもRaspberry Piを使って同様の方式で制御しているとのことだ。

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