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ペロブスカイト/シリコン・タンデム型太陽電池が発電効率33.2%を達成し、世界記録を更新

Photo: KAUST

サウジアラビアのアブドラ王立科学技術大学(KAUST)の研究チームが、シリコンとペロブスカイトを組み合わせたタンデム型太陽電池を開発し、世界最高の発電効率を達成した。

現在、太陽光発電の主力として用いられている結晶シリコン太陽電池は、モジュールでの効率が20~22%程度である。しかし、太陽光発電の分野では、地球規模での再生可能エネルギー利用に向けて、さらに高い効率を達成する革新的な材料設計が求められている。

ペロブスカイト/シリコン・タンデム型太陽電池は、上層のペロブスカイトが青色光を、下層のシリコンが赤色光を吸収するため、効率良く太陽光を捕集して電気に変換できる。そのため、従来の結晶シリコン太陽電池に代わる高性能太陽電池として期待され、広く研究が進められており、2032年には、100億ドル以上の市場を占めると予測されている。

KAUSTの研究チームは、2016年から同太陽電池の研究を開始し、新しい材料や方法を提案し、シリコンセルのすい面をペロブスカイト材料で均一に覆う方法を開発した。そして今回、タンデム型太陽電池の発電効率が33.2%と、これまでのドイツのヘルムホルツ協会ベルリン研究所の最高効率32.5%を上回る世界最高記録を達成した。同太陽電池は、欧州太陽電池試験所(ESTI)の認証を受け、アメリカ国立再生可能エネルギー研究所の「Best Research-cell Efficiency Chart」のトップに掲載された。

研究チームは現在、工業規模のペロブスカイト/シリコン・タンデム型太陽電池を製造できる拡張可能な方法と、工業的なプロトコルに合格する高い安定性のタンデム型太陽電池を得るための戦略を探求している。

fabcross for エンジニアより転載)

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