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広葉樹の廃材を3Dプリントで活用——アダル、ペレット溶解積層方式3Dプリンターでラウンジチェアを製作

「リンクラウンジ2.0」

アダルは井上企画と共同で、広葉樹の廃材を活用した新素材をエス.ラボのペレット溶解積層方式3Dプリンターで射出し、ラウンジチェア「リンクラウンジ2.0」を製作した。

photo 従来モデル「リンクラウンジ」

アダルは木材活用率100%を目指すプロジェクトを2023年1月より開始し、その一環として、90年代初頭に設計された同社のデザイナーズチェア「リンクラウンジ」を復刻したのがリンクラウンジ2.0だ。

photo 写真左:木廃材、写真右:粉塵と樹脂を融合したペレット

従来の大型成型合板シェル構造に代わり、今回の製作では木粉と樹脂を混ぜた粒状素材(ペレット)を使用し、ペレット溶解積層方式3Dプリンターでシェルを射出成形した。

photo 写真左:リンクラウンジ2.0の3Dデータ、写真右:3Dプリンターで射出中のラウンジシェル部材

ペレット溶解積層方式3Dプリンターは、樹脂成型用ペレット(顆粒状の材料)を3Dプリンターの造形材料として直接使用し、大型サイズの造形を高速かつ低コストで実現する。造形材料をフィラメントに加工する必要がないことから、硬質な材料や軟質な材料の造形もできる。従来の金型投資や大量の電力を伴う高周波プレスなどの大規模設備や量産を前提とせず、木端材からつくられた木粉と3Dデータがあれば1台から製作が可能だ。

本モデルの製作では、背と座を支えるシェルを3Dプリンターにて、クッション部分などをアダル自社工場にて製作し結合した。

本モデルは、2023年6月21日~23日まで東京ビッグサイトで行われる「次世代3Dプリンタ展」の、リコージャパンブース内に展示される。

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