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旭化成、プリンテッドエレクトロニクスでディスプレイ用の次世代非接触ユーザーインターフェースを実証

(上)既存ディスプレイにイメージセンサーアレイを組み合わせることでペンライトによる非接触操作を実現 (下)イメージセンサーアレイに近赤外線LEDを組み込むと指の動きによる非接触操作(ジェスチャー制御)が可能に

旭化成は、欧州の研究機関ホルストセンターとともに、プリンテッドエレクトロニクスを利用したディスプレイ用の次世代非接触ユーザーインターフェースを実証した。

プリンテッドエレクトロニクスとは、印刷技術を用いてフィルムなどの基材の上に電子回路やセンサー、素子などを形成する技術で、製品の薄型/軽量化や低コストでの生産を可能とする。同社は独自開発の銅インクや高精細印刷技術を有しており、これまで偽造防止ソリューション「Akliteia」などにプリンテッドエレクトロニクスを活用してきた。

今回の共同研究では、銅インクと高精細印刷技術を活用した透明導電性フィルムに、ホルストセンターで開発された近赤外線を検知できる有機透明イメージセンサーアレイを組み合わせ、透明ながら近赤外線を検知できるパネルを実証した。

従来の非接触ユーザーインターフェースには、ディスプレイの外枠に設置された近赤外線カメラなどが使用されていたが小型化が難しく、検出精度や大型パネルへの適用に課題があった。

今回実証した非接触ユーザーインターフェースは、フィルム上に印刷された極細の導電性銅グリッドと、近赤外光を検出する透明な素子を平面上に複数配置することで、可視光透過性を保ちつつ、近赤外光の検知を可能とした。

近赤外光(波長850nm)において、高い光検出率(約1012ジョーンズ)と可視光透過率(70%)を実現しており、同技術を応用して電機メーカーなどにおいて既存のディスプレイと組み合わせることにより、ペンライトや指の動き(ジェスチャー)を検知する非接触ユーザーインターフェースを実現する。

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