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Raspberry Pi Picoを使用して一眼レフデジタルカメラ12台でバレットタイム撮影

Raspberry Pi Picoを使用して、結婚式の記念動画をバレットタイム撮影できるブースをRaspberry Pi公式ブログが紹介した。

このブースでは、キヤノンの一眼レフデジタルカメラ「EOS 400D」12台とSonyのデジタル一眼カメラ「α5000」1台が、曲線状に設置されたパイプフレームに取り付けられている。EOS 400Dでは動画撮影ができないため、サブモニターでのライブビュー用にα5000も使用している。

Bullet Time Video Booth

複数台のEOS 400Dで同じ瞬間を同時に撮影することで、被写体がスローモーションで動いているように見える一方で、カメラワークが高速で移動するという特殊な映像を撮影することが可能だ。映画「マトリックス」で有名になったこのような映像効果の技法は、バレットタイムまたはマシンガン撮影と呼ばれているが、本物のカメラで実現するにはかなりの手間とコストがかかる。

電子ドラム用のラックを組み合わせて曲線状に配置されたパイプフレームには、カメラを等間隔で設置せず、フレームの一方の端ではカメラとカメラの設置間隔を広く空け、反対側の端では間隔を狭めて設置している。このように配置することで、再生時に加速しているような映像効果が得られるとのことだ。

Bullet Time Video Booth

Raspberry Pi Picoは、複数台のカメラのシャッターが同時に作動するためのトリガーとして機能している。さらに、Bluetoothワイヤレスボタンの内部にはアクション制御用のRaspberry Pi Pico Wが配置されている。緑のボタンで撮影のカウントダウン開始や撮影した映像の保存確認、赤いボタンでカウントダウンのキャンセルや撮影映像の削除が可能だ。

Bullet Time Video Booth
Bullet Time Video Booth

ブースを作成したSebastian Staacks氏によると、欧州で一般的なフレームレート25fpsで撮影するには、本来25台のカメラが必要だったが、コスト削減のために写真撮影用のカメラ12台を使用し、足りない部分はソフトウェアで補完する形式を採用したとのことだ。撮影した素材の結合や映像の後処理には動画編集ソフト「DaVinci Resolve」を採用。DaVinci Resolveのオプティカルフロー推定により動画フレームを補完すると、より滑らかな映像となる。

Staacks氏の個人サイト内にあるプロジェクトページでは、カメラのトリガーや画像の後処理、ビルドの各要素について詳細に説明している。

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