新しいものづくりがわかるメディア

RSS


AIがワインや梅干しの味わいを再現、産地や品種まで——明大が調味装置「TTTV3」を開発

TTTV3のLLM対話システムを使用中

明治大学 総合数理学部先端メディアサイエンス学科の宮下芳明研究室は2023年8月31日、調味装置「TTTV3」を開発したと発表した。

TTTV3は、産地や品種の違いを再現可能な調味装置だ。総務省の「異能vationプログラム」で開発した味覚メディア「味わうテレビ TTTV」を発展させたもので、基本五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)や辛味などの味を感じさせる液体を混合噴霧して味を再現する。

20種の溶液を0.02ml単位で混合し加えることで、細かな単位での味制御が可能で、一味に対して複数の溶液を用いることで、風味を近づけられるのが特徴だ。また、アルカリ性物質の添加による中和、味覚修飾物質の活用、他の味によるマスキング効果を利用することで、元の食品よりも特定の味を薄く感じさせる「味の減算」も表現できる。

味のタンクは20タンクごとに1000段階で制御できるため、10の60乗(1那由他)通りの味の組み合わせが再現でき、ワインやカカオ、梅干しなど、産地や品種の違いまで再現可能だという。

また、ChatGPTなどのLLM(Large Language Model、大規模言語モデル)と連携することで、料理名をマイクで話したり、料理の画像をWebカメラで見せたりすることで、LLMによって味を推定して出力する機能も搭載している。

関連情報

おすすめ記事

 

コメント

ニュース

編集部のおすすめ

連載・シリーズ

注目のキーワード

もっと見る