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廃棄木材を鋼鉄並みの素材に再生する、DARPAの「WUD」プログラム

アメリカ国防高等研究計画局(DARPA)は、廃材や段ボール、紙などのセルロース系廃棄物を再利用し、軽量で強度の高い素材に作り変える「WUD(Waste Upcycling for Defense)」プログラムを推進している。

アメリカ陸軍工兵隊によると、国防総省(DoD)の前方作戦基地で発生する固形廃棄物のうち、80%以上は廃材、段ボール、紙で構成されており、それらの有効な再利用法の確立が課題とされてきた。

最近の研究では、化学処理とプレス加工によって木材を高密度化し、機械的特性を高める技術ができつつある。このような木材は、独自のエネルギー分散様式のため高い耐久性があり、強度重量比は鋼鉄よりも高い。また、原料を改質する生物学的プロセスも研究されている。

開発中の新素材は、機械的特性の強化以外にも、建設材料に必要な耐火性、耐水性、耐腐食性/耐候性などの改善と、化学薬品の使用量削減も必要だ。加えて、WUDは、様々な種類のセルロース系廃棄物を組み合わせて新素材を製造する可能性にも注目している。

WUDが成功すれば、国防総省の廃棄物処理の負担や、サプライチェーンの物流量が軽減される。さらに、国防総省の建設と防衛に関連する二酸化炭素排出量を削減し、同時に持続可能な建築材料利用への道筋を開く。

WUDプログラムマネージャーを務めるCatherine Campbell氏は「WUDで開発された技術は、国家安全保障と商業用途の両面で、効率的な資材の再利用の道を開くだろう」と述べている。

fabcross for エンジニアより転載)

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