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パイロン誘導方式のラズパイ搭載ロボット草刈り機「Roktrack」——急な斜面でも作業可能

カメラで撮影した映像を基にパイロンを認識し自律的に動作する草刈り機「Roktrack」を、Raspberry Pi公式ブログが紹介した。

Raktrackは、搭載カメラの映像から野外に設置されたパイロンを認識して移動し、パイロンで囲ったエリア内の雑草を自動的に刈り取ってくれるロボット草刈り機だ。

Roktrack

段差や斜面が多い中山間地でも使えるように棚田地域に住む日本人が開発したもので、スマートフォンを使い慣れていない高齢者でも使えるように設計されている。雑草を刈りたいエリアの周囲にパイロンを設置して本体の電源スイッチを押すだけで使用でき、Androidアプリ経由での操作にも対応している。

スイッチを入れると映像から認識したパイロンに向かって進行し、一定の距離まで近づくと旋回して、次のパイロンを探して進む。周回を重ねるたびに旋回するタイミングを速めることで、エリア内の外側から内側へと入り込んでいって雑草を刈り取る仕組みだ。

Roktrack

物体検出モデル「YOLOv8」でパイロン画像を学習させたカスタムモデルを使用し、パイロンの高さを測定することでどこまでパイロンに近づくかを判断して、反転や旋回のタイミングを調整している。また、現行モデルでは物体検出の学習モデルに「人物」も追加されており、人がカメラに映ると停止する安全機能も搭載している。

Roktrackはブレード(刃)を2個搭載しており、ブレードはそれぞれ内側方向に回転するようになっている。ブレードが1つだとブレードに当たった小石がボディとの間に挟まるとブレードが破損してしまうが、この構造だと小石が当たっても2つのブレードの間から後方に排出されるので、ブレードが破損しないという。また、雑草がモーターシャフトに絡まるのを防止するため、ナイロンコードを上向きに設置している。

Roktrack
Roktrack2

現行モデルの天板にはソーラーパネルが貼り付けられており、ソーラーチャージコントローラーにバッテリーを接続することで、作業後にソーラー充電するようになっている。

アプリと本体との間の通信はBLE Advertisingによるブロードキャスト通信を用いており、緊急停止やモード切り替えなどもアプリから実行可能だ。草を刈り取った地点の座標はAndroid端末のGPSで記録され、雑草の成長度合いは衛星画像を使用してリモートで検出できる。

Roktrackの最初のモデルではRaspberry Pi 4を使用していたが、本体搭載のファンだけで冷却できるよう、温度と電力消費の観点からRaspberry Pi 3 Model A+にダウングレードした。また、現行モデルでは本体の剛性を高めるためにアルミ板を使用。PCBWayからアルミ板金サービスの支援を受けており、同社にdxfファイルを送付するだけで正確に加工された2mmのアルミ板が届いたとのことだ。

複数台の同時運用にも対応しており、ワイヤーと併用することで急な斜面での草刈りの自動化が可能だ。Roktrack2台が斜面を自動的に草刈りをする様子もアニメーションGIFで公開されており、将来的には最大6台の同時運用を試験する予定だという。

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