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シドニー工科大学、思考をテキスト化する読心AI技術を開発——ポータブルで非侵襲的

Image: UTS

豪シドニー工科大学(UTS)は2023年12月12日、脳波を読み取って思考をテキストに変換できる、ポータブルで非侵襲的なシステムを開発したと発表した。この技術は、脳卒中や麻痺などの病気や怪我によって話すことができない人々のコミュニケーションを助けたり、バイオニックアームやロボットの操作など、人間と機械がシームレスにコミュニケーションできる可能性があるという。

脳の信号を言語に変換する技術はこれまでにも存在した。しかし、Elon Musk氏の「Neuralink」のように、脳に電極を埋め込む手術が必要か、あるいは、大型かつ高価で、日常生活で使用するのは難しいMRI装置でスキャンしなければならないといった問題があった。

それに対し、今回開発されたシステムでは、頭皮から脳の電気的活動を記録する帽子を被り、文章を黙読するだけでテキスト化が可能だ。記録された脳波(EEG)は、研究チームが開発した「DeWave」と呼ばれるAIモデルが、人間の脳から特定の特徴やパターンを捉える個別のユニットに分割。DeWaveは、大量の脳波データから学習することで、脳波信号を単語や文章に変換する。

脳波には個人差があるため、UTSの研究は29人の参加者を対象に行われた。1人か2人しかテストしていない従来のデコーディング技術よりも、より堅牢で適応性が高い可能性がある。

翻訳精度の計測には、機械翻訳されたテキストと高品質な参照翻訳との類似度を0から1の間の数値で測定する「BLEUスコア」を用いた。現在の翻訳精度は、BLEU-1で約40%だという。研究チームは、このシステムのスコアを、従来の言語翻訳や音声認識プログラムに匹敵する90%近くまで向上させることを目指している。

fabcross for エンジニアより転載)

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