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ExtraBoldが樹脂リサイクル体験型ショールームを公開、ロボットアーム式3Dプリンターを国内初披露

大型3Dプリンターを開発するExtraBoldは2024年4月6日、東京都豊島区内の本社内にプラスチックリサイクル体験型ショールームを開設した。

「EX2(ExtraBold Experience)」と名付けた同ショールームでは、タイで披露したロボットアーム式のFFF方式大型3Dプリンター「REX Series BUTLER fabrication(通称:REX-BUTLER)」を使ったワークショップを体験できるほか、同社が支援するクリエイターによる3Dプリント作品が鑑賞できる。

REX-BUTLERは2023年11月にタイで発表した3Dプリンターだ。ExtraBoldの独自開発によるプリントヘッドをベースに、ロボットアーム型の協働ロボットで造形テーブルを動かしながら造形する。現在は、Universal Robots製産業用協働ロボットアーム「UR16e」に対応しているが、今後対応機種を拡充するという。さらに樹脂の3Dプリントだけでなく切削や型成形、フードプリントなどを可能にするさまざまなユニットを開発する計画だ。

日本での発売開始時期は2024年の夏頃を予定しており、ショールームでは発売開始前に実機のデモンストレーションなどを体験できる。

REX-BUTLER

体験型ワークショップの様子

ショールームではREX-BUTLERとリサイクル樹脂を使った体験型ワークショップも開催する。申し込みは同社Webサイトからの事前予約制で、1組3名まで参加可能、参加費は無料だ。記事初出時点では平日の15時から17時のみの実施となっている。

造形時の失敗品を参加者がピックアップし、プラスチック粉砕機で破砕する。
ランダムなサイズに砕いた樹脂を空冷式造粒機に投入。加熱して線状に加工した樹脂を空冷式の冷却管に通した後に、ペレット状にカットする。ExtraBoldではホロン精工の破砕機と造粒機を採用している。
REX-BUTLERによる造形の様子
ワークショップではスマホスタンドを20分程度で造形する。着色用の樹脂素材を混ぜることで、好みの色の造形も可能。

若いクリエイターを育成する3Dプリントトレーニングジム

ショールームではデザイナー集団「HONOKA」が制作した家具・インテリア製品が展示されている。

HONOKAはプロダクトデザイナーを中心とする男性6名によるデザイナー集団で、ExtraBoldが運営するコミュニティ「BOLD GYM」に所属する。廃棄された畳のイグサと生分解性プラスチックを材料に、ExtraBold製の大型3Dプリンターで制作した「TATAMI ReFAB PROJECT」を発表し、2023年にミラノサローネでサローネ・サテリテ2023最優秀賞、German Design Award Gold、2024年にはiF Design Award Goldを受賞するなど海外でも高い評価を受けている。

2024年4月6日に開催されたオープニングイベントでは、HONOKAのメンバーも登壇した。BOLD GYMでの制作環境について「思い描いた形をトライアンドエラーで何度も試作を繰り返せるので、短時間でクオリティを上げられる」という利点を挙げると同時に、「自分の手で一つ一つのパスを作る点や、樹脂素材の調整や湿度による樹脂の垂れ方のわずかな変化など、一品ものを作る職人の手仕事のようであり、現代の工芸のようなアプローチだと思う」と意見を述べた。

ショールームでは今後、HONOKAを中心とする3Dプリント製品の販売を予定しているほか、カフェ出店や3Dプリントサービスの提供なども計画している。

ExtraBoldではこうした一連の活動を通じて、自社製品のプロモーションのみならず、大量生産以外の製造法の選択肢を増やすこと、マテリアルリサイクルを身近にすること、ものづくりの楽しさを次世代に伝えることの3つのミッションを実現する場としたい考えだ。

茶葉を混ぜたリサイクルフィラメント。
ExtraBoldの社員がBOLD GYMで制作した植物用の鉢。植える植物の育ち方を考慮して設計しているという。

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