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インドの3Dプリント製ロケットエンジン「PS4」、長時間の高温試験に成功

インド宇宙研究機関(ISRO:Indian Space Research Organisation)は、2024年5月10日、3Dプリント技術によって製造した液体ロケットエンジンの高温試験を実施し、665秒間の燃焼に成功したと発表した。

試験の対象は、ISROの主力ロケット「PSLV」の第4段で使用される「PS4」エンジンが使用された。酸化剤として四酸化二窒素、燃料としてモノメチルヒドラジンを使用し、真空中で7.33kNの推力を発生する性能をもつ。

従来、このエンジンは機械加工と溶接で製造されてきた。ISROの液体推進システムセンター(LPSC:Liquid Propulsion Systems Centre )は、3Dプリント技術の一種である積層造形に適した設計コンセプト「DfAM(Design for Additive Manufacturing)」によって、PS4ロケットエンジンを再設計した。

再設計されたPS4エンジンは、レーザー粉末床溶融技術を採用したことで、従来の14点の部品構成を単一の部品に集約、19カ所の溶接個所を削減した。また、エンジンの製造に要する時間は、従来と比べて60%短縮された。

3Dプリントの製造工程は、原材料の使用量を大幅に削減した。従来の製造法では、エンジン1基あたり鍛造品と鋼板のシートで565kgの金属を使用していたが、3Dプリントの場合は金属粉末13.7kgで足りる。

3Dプリント版のPS4エンジンは、665秒間に及ぶ認定試験に合格し、すべての性能パラメータで期待通りの結果を記録した。ISROは、この3Dプリント版のPS4エンジンについて、通常のPSLVロケットプログラムへの導入を予定している。

fabcross for エンジニアより転載)

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