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眼圧をモニタリングできるスマートコンタクトレンズのプロトタイプ——緑内障の早期発見が可能に

Adapted from ACS Applied Materials & Interfaces 2024, DOI: 10.1021/acsami.4c02289

アメリカ化学会(ACS)の『ACS Applied Materials & Interfaces』で2024年4月23日、緑内障の早期発見に有効な、眼圧の変化をモニタリングできる「スマート」コンタクトレンズのプロトタイプが報告された。

アメリカ疾病予防管理センターによると、アメリカでは約300万人が罹患しているという緑内障。その診断には眼圧の微妙な上昇を検出することが有効だ。早期治療が重要なため、眼圧の継続的なモニタリングが求められている。現在、眼科検診では角膜に空気を吹き付ける検査で1度だけ眼圧を測定しているが、これには不快感が伴うといった問題がある。

これまで研究者たちは、レセプターメガネに信号を送信するコンタクトレンズなど、眼圧のわずかな変動を継続的かつ快適に検出する方法を検証してきた。しかし、気温が変化する(例えば寒いところへ出る)とレンズの測定値が狂ってしまうことがあり、継続的なモニタリングは困難だった。

そこで今回、北京理工大学を中心とした研究チームは、幅広い温度で眼圧を正確に測定し、リアルタイムで信号を無線送信するコンタクトレンズを開発した。

研究チームはまず、2つの小型スパイラル回路を設計。それぞれの回路は眼圧や眼球の直径の変化など、微小な伸縮時に変化する独自の固有振動パターンを持つ。これらの小さな回路を、一般的なコンタクトレンズの材料であるポリジメチルシロキサンの層で挟んでコンタクトレンズにする。コンピューターに接続されたコイルをこのレンズに近づけることで、埋め込まれた回路の振動パターンをワイヤレスで読み取る仕組みだ。

実験室でのテストでは、眼圧と温度を制御しながらこの新しいレンズを3つのブタの眼球標本に装着。10℃から50℃までの圧力データをモニターし、ワイヤレスで送信できた。レンズ内の1つの回路のみの信号から圧力を計算した場合、結果は真の値から最大87%ずれていた。しかし、両方の回路からの情報を使用することで、温度による誤差が取り除かれ、真の値の差異はわずか7%に納まった。

研究チームは、この二重回路のスマートレンズ設計が、広い温度範囲でも緑内障の早期の発見とモニタリングに使用できる可能性があると述べている。

fabcross for エンジニアより転載)

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