ラズパイでソーラーパネルを制御——アリゾナ州立大教育イニシアティブ「SolarSPELL」向けチャージコントローラー
2024/06/17 06:30
Raspberry Piの公式ブログが、アリゾナ州立大学(ASU)が推進する、途上国などオフグリッド環境向けにデジタルライブラリを提供する教育イニシアティブ「SolarSPELL」において、Raspberry Piを活用した新たなチャージコントローラーを開発したと紹介した。同大学工学部の学生らが開発プロジェクトを主導している。
ASUのSolarSPELLは、太陽光発電とオフライン技術を使い、オフグリッド環境で利用できる無料のデジタルライブラリを提供する教育イニシアティブだ。Raspberry Pi 3搭載デバイスのアップグレードと実装ライブラリの充実化を進めるとともに、途上国などインターネットや電力インフラが整っていない地域へ展開することで、健康や農業などに関する教育機会の創出を推進している。
同大工学部の学生らは、「Raspberry Pi 3A+」に接続し、SolarSPELLのデジタルライブラリに電力を供給する、MPPT(Maximum Power Point Tracking)方式のソーラーパネル対応10Wチャージコントローラーを開発。開発の目標としたのが、電力効率の改善とオフグリッドデジタルライブラリの信頼性の向上で、さらに、コンパクトなフォームファクターとRaspberry Piの40ピンGPIO との互換性を両立するPCBをデザインした。
学生らは同プロジェクトを通じ、社会的ニーズのあるデバイスのコンセプト化から試作、試験、ベンダーマネージメント、実装までのプロセスに携わった。理論的な工学知識を生かし、実践的なアプリケーションを設計/実装する経験が、将来の再生可能エネルギーソリューションや、エンジニアリングによる社会貢献などにつながることが期待される。