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ソーラーパネル直下に反射板——地面反射を利用して発電量を高める研究

世界的に温室効果ガス削減が叫ばれる中、太陽光発電は再生可能エネルギーとして急速に発展し、普及を遂げている。ソーラーパネルの下に地面反射率を高める反射材を設置するというシンプルな発想により、発電システムのエネルギー出力と効率を向上させる画期的な方法を、カナダの研究者らが発見した。

この研究は、カナダのオタワ大学と、クリーンエネルギーの研究/開発/普及の世界的リーダーである、米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)の国際共同研究として実施された。研究成果は、『Progress in Photovoltaics』誌2024年5月7日号に掲載された。

研究者らは、ソーラーパネルの下に反射率の高い白色の反射材を配置したところ、エネルギー出力を最大で4.5%増加させることを見出した。太陽光発電をより経済的に実施するために、極めて有用な発見だ。

筆頭著者のMandy Lewis氏は「高い反射率を持つ表面が太陽光発電の出力を高めることがわかった。この効果を最大化するために重要なのは、反射板を列の間でなく、ソーラーパネル直下に配置することだ」と述べている。

この発見には、特にカナダならではのメリットがある。オタワやトロントのような大都市でも1年のうち3~4カ月が、広大な国土の65%では1年の半分以上が、雪に覆われている。このような地域では、地面からの反射光も受けられる両面ソーラーシステムに大きな効果が期待できる。また、世界の陸地面積の約4%は砂漠であり、この研究成果を適用できる可能性がある。

Lewis氏は「今回の研究成果は、単位面積当たりの発電量を最大化するために有用であり、反射板の利用は特に都市中心部のような人口密集地で、太陽光発電設備の設置スペースに制約がある場合にも理想的だ」と述べている。

fabcross for エンジニアより転載)

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