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藻類が次世代の再生可能エネルギー源として注目を集める

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カナダのコンコルディア大学の研究チームは2024年6月11日、化石燃料への依存から持続可能なエネルギー生産へと移行するため、藻類の光合成過程からエネルギーを採取する方法を開発したと発表した。光合成を利用することで、二酸化炭素を除去しながら発電するものだ。

「マイクロ光合成パワーセル」と呼ばれるこの技術は、藻類を特殊な溶液に懸濁し、光合成過程からエネルギーを抽出して小型のパワーセルに収容する。適切にセットアップすれば、IoTセンサーのような低電力デバイスに十分なエネルギーを供給できるという。

マイクロ光合成パワーセルは、光合成で生成する酸素と電子のうち、電子を補足することで発電する。大気中の二酸化炭素を吸収して電流を発生させ、副産物は水だけだ。アノード側とカソード側は、ハニカム状のプロトン交換膜で仕切られている。膜の両側には微小電極が設置され、それぞれのチャンバーの大きさは20×20×4mmと小さい。アノードチャンバーには2mLの溶液に懸濁した藻類を設置し、カソードチャンバーは電子受容体の一種であるフェリシアン化カリウムで満たされている。

藻類が光合成により電子を放出すると、電子は膜の電極を介して集められ、伝導して電流が発生する。一方、プロトンは膜を通ってカソード側に侵入し、フェリシアン化カリウムを還元する。人間と同じように藻類も常に呼吸しているため、電子は継続して採取され、発電は止まることがない。

またこのシステムでは、太陽電池が依存するシリコン製造技術に必要な有害ガスやマイクロファイバーが一切使用されていない。マイクロ光合成パワーセルは生体適合性ポリマーを使用しているため、システム全体を簡単に分解でき、製造コストも非常に安価だ。ただし、現状ではマイクロ光合成パワーセル1個の最大端子電圧は1.0Vしかない。そのため研究チームは、まだ太陽電池のような他の発電システムと競合できるものではないことを認めている。しかし集積化技術などの十分な研究開発が行われれば、将来的に現実的で安価なクリーン電源になる可能性が秘めていると考えている。

研究成果は、『Energies』誌に2024年4月5日付で公開されている。

fabcross for エンジニアより転載)

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