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建物の外観に配慮した「MorphoColorソーラーパネル」を開発 独Fraunhofer

© Piotr Banczerowski

独Fraunhofer太陽エネルギーシステム研究所(Fraunhofer ISE)の研究チームは、2024年6月12日、建物の外観に配慮したカラーソーラーパネルを開発したと発表した。このパネルは、建物の外壁に対して目立たず、発電効率を大きく損なうことなく組み込むことができる。

太陽光発電システムのうち、ソーラーパネルの色などの外観は、建築家や施主からの評判が良いとはいえない。ISEの研究者たちはこの状況を改善すべく、美観に優れたカラーソーラーパネルの開発に着手した。

開発したソーラーパネルは、モルフォ蝶に着想を得た「MorphoColor(モルフォカラー)」コーティング技術を採用した。モルフォ蝶の羽は「3Dフォトニック構造」が特徴で、低損失の干渉効果があり、どの角度から見ても鮮やかで安定した色彩を生み出す性質がある。

研究チームは、真空プロセスを使ってソーラーパネルを覆うガラスの裏面に3Dフォトニック構造の加工を施し、ガラスカバーの着色に成功した。このカラーコーティングを施したソーラーパネルは、非コーティングパネルの約95%の出力を確保できる。

また、同研究所が開発したシングルマトリックス技術は、太陽電池セルを導電性接着剤で接合してコネクターの無い均質な外観を提供し、ソーラーパネルの表面を着色層で隠すことができる。その結果、ファサードや屋根の外観に影響を与えずに取り付けることができる。

MorphoColorの商標は、EU、スイス、中国、米国、日本、韓国ですでに登録されている。さらに、自動車産業では、MorphoColorソーラーパネルを内蔵したガラス製の自動車ルーフとボンネットに対して、ドイツの主要な自動車メーカーが大きな関心を示している。

fabcross for エンジニアより転載)

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