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東北大、金属3Dプリンターを用いた異材接合強度向上技術を開発——自動車部品の試作に成功

走査速度650 mm/s にて作製した試料では脆化相の形成が抑制されている

東北大学が、金属3Dプリンターを用いて炭素鋼とアルミ合金の接合界面の強度を向上させるマルチマテリアル技術を開発した。

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同大学によると、金属3Dプリンターでの組織制御による高機能材料や異なる材料を組み合わせたマルチマテリアル構造は、自動車や航空機を軽量化することが可能なため、近年注目が集まっている。しかし、金属材料の組み合わせによっては、異材接合界面に脆弱な金属間化合物が形成されてしまうため、接合部の強度が低下することが課題だった。

今回の開発では、金属3Dプリンター技術の「レーザー粉末床溶融結合法」を用いることで、炭素鋼とアルミ合金の接合界面に非平衡凝固が得られることを発見。非平衡凝固とは、溶融金属が熱力学的な平衡状態に到達しない状態で凝固することだ。この非平衡凝固によって、従来の溶接法では避けられなかった脆化相の形成が抑制され、接合界面の強度が増すことを実証した。

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さらに、この技術を用いて、炭素鋼(S25C)とアルミ合金からなる実物大の自動車用マルチマテリアル部材の試作にも成功した。同大学では今後、実用化に向けて自動車メーカーなどとの共同研究や実用化に発展させたいと考えている。

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