ウェアラブルEXPO 注目の新製品たち
動物の「キモチ」解析デバイスからメガネ販売チェーン店の視力拡張スマートグラスまで——ウェアラブルEXPO
ウェアラブル端末の活用と技術の総合展「第2回 ウェアラブルEXPO」(主催:リード エグジビション ジャパン)が、2016年1月13日〜1月15日に東京ビッグサイトで開催された。メガネ専門企業から電子機器、繊維メーカーなど国内外の156社が出展。ウェアラブル端末やウェアラブル機器の最新技術や今後展開する新製品を来場者にアピールした。第2回 ウェアラブルEXPOに出展された製品や技術の中からfabcrossが注目したものをレポートする。
anicall
動物用ウェアラブル端末を開発するanicallは、物言わぬ犬やネコたちの「キモチ」を解析して飼い主に伝える「しらせるアム」を披露した。しらせるアムは小さなペンダントサイズの端末で、スマートフォンとBluetooth LEで接続し、本体の6軸加速度センサや地磁気センサで動物の運動量や行動を解析、専用のスマートフォンアプリに「興奮(ルンルン)」、「リラックス」、「つまらない」などの「キモチ」メーターを表示する。アプリでは写真SNS機能や迷子通知機能、足あと機能、友達機能に加えて、「食事評価」機能もあり、食事中の食いつきをスマートフォンのカメラで数値化して解析し、毎日の食事状態を記録する。日別、週別、月別の「食事具合」を評価する機能で、犬/ネコのわずかな体調変動も見逃さず把握できる。首輪に装着するセンサのバッテリはフル充電で最長1カ月ほど持ち、スマートフォンがない場合でも、本体に1日分のデータを記録することができる。しらせるアムは2016年3月末販売開始で、価格は9000円(税別)の予定。
anicallはその他にも競走馬専用個体管理システム「Horsecall」や牧場畜産管理システム「Cowacall」も展示。一頭一頭の首に本体をベルトで装着し、Bluetooth LE経由でスマートフォンアプリと連動して、馬や牛に近づくと個体情報を自動で表示するシステム。アプリ画面で目的の個体情報を選択するだけで、生育の詳細情報がチェックできる。こちらも価格は本体9000円(税別)でアプリ使用料は月額2000円の予定、実用導入は2016年3月に開始する。
セメダイン/AgIC
セメダインはAgICの技術協力を得て弾性接着剤「スーパーX」に電気伝導性を持たせた「セメダインSX-ECA」を出展した。接着性に優れており、シリコーンゴムや紙、布などを接着して利用することができる。シリコーンの接着は特に難しいとされているが、導電性接着剤は伸び縮みしても追従するので、シリコーンゴムが利用されるヘルスケア分野での活用が期待される。AgICは今後、電子部品を実装したフレキシブル回路や、インクジェット技術を活用した大判サイズのフレキシブルヒーター の商品企画、また、ガラスや樹脂の板、ポリカーボネート等さまざまなシート状の素材への回路の形成サービスも開始予定。