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Maker Faire Tokyo 2014注目のMaker

誰でも電子回路が“描ける”AgICマーカーをMFT2014で体験しよう

毎年秋に開催される日本最大のものづくりフェス「Maker Faire Tokyo 2014(MFT2014)」。fabcrossでは、3週に渡って今年出展する注目のMaker を紹介する。今回は、紙の上に電子回路が描けてしまう、魔法のようなマーカーを開発しているAgIC。MFT2014会場では、実際にマーカーを手にとって紙に描いて電極をつないでみたり、銀ナノインクでプリントアウトした自分の名刺を作ったりできる。AgICのCEO、清水信哉氏にお話を伺った。(撮影:加藤甫)

電子回路が描けるマーカー

AgICマーカーは、見た目は一般的なマーカーと同じような外装をしている。 AgICマーカーは、見た目は一般的なマーカーと同じような外装をしている。

紙にマーカーで線を描いたら、あとは小型の電池やLEDなどを組み合わせれば即席の「紙の電子回路」ができてしまう。そんな、魔法のようなツールを開発したのは、ものづくりベンチャーの「AgIC(エイジック)」だ。

「微細な銀のナノ粒子を含んだ特殊な導電性のインクで、紙の表面に塗るとインクに含まれる水分はすぐに紙に浸透して銀が残る配合にしたことで、描いてすぐ電気が通るようになっています」

さらにAgICは、銀ナノインクを一般的な家庭用インクジェットプリンタで使える銀ナノインクカートリッジも開発しており、カートリッジを交換するだけでインクジェットプリンタで好きなデザインの電子回路を印刷できる。

趣味で始めた電子工作から起業へ

インタビューに答えてくれたのは、CEOの清水信哉氏。高校生の時に『CPUの創りかた』という書籍を手に取り、そこから自分で部品を買って製作を始めるなど、電子工作に没頭した青年時代を過ごしていたという。

「通っていた灘高校の友人たちは、プログラミングを勉強している人などもいましたが自分は人がやらないことをやってみようと思っていました。たまたま読んだ書籍がきっかけで電子工作をやってみようと、大阪の日本橋の部品屋で基板にはんだ付けをしていろんな工作をしました」

東京大学に入学後も、サークル活動として趣味でものづくりにはまっていった。一番大きなものは、鉄パイプなどでフレームを作って自分で金属加工もした電気自動車で、本格的な製作を行うまでになっていった。

AgIC CEOの清水信哉氏。 AgIC CEOの清水信哉氏。

大学を卒業し、起業も視野にいれながらまずは外資系のコンサルタント会社に就職した清水氏。あるとき、大学時代から親交があった東京大学の川原圭博准教授と再会したことが、起業のきっかけだったという。

「川原先生が研究で電導性のインクを開発していたことは知っていたのですが、アメリカに留学していたときにお会いして実際の研究内容を聞き、これは誰もが手に取れる製品にすべきと思い、事業化できないかと行動を開始し、結果的にはすぐに会社を辞めて起業していました」

実際に、筆者もマーカーで電子回路を描いてみた。描いてすぐに乾き、電池をつないだらLEDが点灯した。 実際に、筆者もマーカーで電子回路を描いてみた。描いてすぐに乾き、電池をつないだらLEDが点灯した。

大学時代の友人で、ベンチャーキャピタルで働いた経験もある杉本雅明氏にも声をかけ、一緒に起業することとなった。製品化に向けて2014年1月に会社を設立し、さらにKickstarterで資金調達する準備を始め2014年3月にプロジェクトを掲載。8万ドル(800万円強)を超える出資を集めたことで話題となった。

「私は経営と電子回路設計などのエンジニア担当で、杉本が営業や事業開発部門を担当、さらにもうひとりの西田が、米国法人の代表として海外向けのアプローチやKickstarterなどのやりとりをしてくれました。チームで行動することで、いろんなことに挑戦できると考えています」

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