イベントレポート
小学生たちがITものづくりに没頭! 3種のデバイスを使ったワークショップ開催
TMCN(Tokyo MotionControl Network)と、東京近郊で小学生向けITものづくり教室STEMON(運営:ヴィリング)は共同で、2016年2月11日にSTEMON千歳烏山校で子どもテクノロジー学習体験教室を開催した。
私は、TMCNメンバーとして主に子ども向け教育などの施策に関わっており、ライターとカメラマンとしてこの体験教室に参加した。いつもはロボットプログラミング教室などで講師を務めることが多いが、今回は参加する親子を観察することを中心に体験教室を見てきた。
この教室は、欧米や新興国では声高く叫ばれているSTEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)教育の認知度が国内では低いことについて、TMCNとSTEMONの問題意識が一致し開催に至った。
実際に、今回の参加者にSTEM教育を知っているか確認すると、2割程度の親しか認知していなかった。最近、プログラミング教育は注目を集めている。中学校では必修化して数年が経過し、小学校でも英語のように取り組むことが検討されている。高校でもプログラミングが必修化され、今年から教科「情報」での大学受験もスタートした。塾などでもプログラミング教育が実施されているが、2014年に発表された総務省の調査報告書によると、東京以外ではまだ少ない状況にある。
プログラミング教育は、STEM教育の一部であり、より広く子どもたちに生きる力を身につけさせたい。そのためにもSTEM教育の認知度を上げるため、子どもたちがITものづくりを楽しく学ぶ機会を提供し、親子に興味と関心を醸成することを目的としている。
3つのデバイスを使ったワークショップ
今回の体験教室は、未就学の年長クラスから小学校4年生までの子どもたちを対象に、3種類の教育用のデバイスを提供し、サーキットトレーニングのように約40分ごとに3種類とも体験できる機会を提供した。
100平方メートルほどの会場を3つに区切り、それぞれ違った教育用デバイスを使った学びのコーナーを用意した。
LittleBits
LittleBitsは、磁石で電子部品を接続することで簡単に電子回路が作れ、STEM教育においては、科学や技術を体験しながら楽しく学べるデバイスである。TMCNでも大人向けや子ども向けにワークショップを開催し、毎回好評を得ているデバイスである。
今回は約40分という短時間であり、作品作りではなく、基本的な回路を組み立てて体験する機会としている。パルスを発生させる回路を挟み、LED点滅やモーターを間欠動作させた。さらに複数のパルスを並列や直列に接続することでの動きの変化を観察した。またカラーLEDのRGB出力を調整することで色を作り出すなど、子どもたちは科学や電子回路の基礎を実際に組み立てつつ学んでいた。