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日本のファブ施設調査2021——コロナ禍を経て微増。地方で進む小規模ラボ展開

fabcrossでは2015年から国内外のファブ施設(メイカースペース)の動向を調査しています。今年は編集部に加え、FabLab Japan Networkの協力を得て、日本各地のファブ施設の運営状況をまとめました。

2021年に確認できた施設数は132(昨年比+9)

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小売店舗内のファブ施設を除外した2020年の調査から1年が経ち、2021年12月時点で日本に存在するファブ施設は昨年から9件純増の132となりました。

2019年は都市圏の中・大規模ファブ施設の閉鎖が目立ちましたが、2020年はコロナ禍の影響からか、一般利用を終了する施設が数件確認できました。一方、2021年に新しく追加された施設の多くは地方都市を中心とした小規模なファブ施設で、この傾向は2020年から継続しています。

また、日本のファブ施設としては最古参の1つであるファブラボ鎌倉が北海道栗山町と提携し、現地での工房運営や人材育成支援を担う人材を育成するといった動きや、浜松市の自治体や地場企業が中心となってスタートアップ支援に取り組む動きに併せて、ファブ施設付きのコワーキングスペースが立ち上がった事例などから、新たなフェーズに突入した予兆を感じる1年となりました。

2015〜2017年にかけては、デジタル工作機械やユーザーコミュニティに対する可能性を感じて施設を立ち上げるケースが大多数でした。しかし、利用者数の伸び悩みや採算性の問題が顕在化してからは、特定の課題にフォーカスした施設や小規模な施設の運営にシフトしているようです。

より小さなマイクロスペースという可能性

今後は個人運営でマイペースに運営する形態も増えていくでしょう。3Dプリンターやレーザーカッターなどのデジタル工作機械の価格はここ数年でさらに低価格化が進んでいます。また、利用方法のナレッジ共有もオンラインで進んでいることから、ファブ施設を利用せずに自宅に機材を揃えるユーザーも増えています。

この流れを受けて自宅の一部に工房を作り、日を決めて開放するといった緩やかな運営を目指すファブ施設も存在します。

そこでfabcrossのライターであり、自宅の一部を工房として改装して月に1回マイクロメイカースペースとして解放しているむらさきさんに、立ち上げから現在に至るまでの経緯を寄稿いただきました。本記事と併せてご覧ください。

調査概要

本調査は、2020年12月16日から2021年12月24日にかけて、主にこれまでの取材記録やインターネット検索、Eメールおよび電話での取材を基にしたものです。

対象施設

  • 有料/無料を問わず工作機械が利用可能な施設
  • 利用者が自ら工作機械を操作できる施設

対象外施設

  • 社員や生徒などに利用者を限定する企業/学校内施設
  • 利用者が機械を直接利用できない制作・加工に特化した施設や店舗
  • ホームセンター内の施設など、小売店の一機能として提供している施設(2020年度調査より)
 

調査結果をまとめたグラフの著作権はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示–非営利–改変禁止 4.0 国際)を採用しています。

調査協力:FabLab Japan Network
http://fablabjapan.org/

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