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製品レビュー

Formlabsの光造形3Dプリンタ「Form 2」——シンプルかつ安定した造形と、高品質レジンのラインアップ

試作開発に本領を発揮する豊富なレジン

一方でFormlabs最大の魅力はプロユースのレベルに匹敵するレジンの質と豊富さ、そして数分もあれば簡単にレジンを交換できる利便性の高さだと毛利さんは話す。

280度の高温にも耐えるHigh Tempレジンや弾力性のあるFlexibleレジン、耐衝撃性が求められるパーツ試作用のDurableレジンなどプロユースに匹敵する樹脂が用意されている。またCES 2017では造形後に焼成することで陶磁器になるセラミックレジンを発表するなど、今後のラインナップ拡充にも期待したいところだ。

High Tempレジンで造形したアタッチメントを家庭用のガスバーナー(最大火炎温度:1300度)に接続してテストした結果、弱火で30秒程度まで形状が維持できたが、強火にしたところ10秒程度で樹脂に引火した。業務用の耐熱樹脂でも170度が限界であることを考慮すると耐火性は業務レベルの樹脂と遜色がない(写真提供:東京メイカー) High Tempレジンで造形したアタッチメントを家庭用のガスバーナー(最大火炎温度:1300度)に接続してテストした結果、弱火で30秒程度まで形状が維持できたが、強火にしたところ10秒程度で樹脂に引火した。業務用の耐熱樹脂でも170度が限界であることを考慮すると耐火性は業務レベルの樹脂と遜色がない(写真提供:東京メイカー)

プリンタに設定を任せるモードは安定している一方で、ユーザー自身で造形方向をカスタマイズして造形する場合は失敗しやすいと毛利さんは指摘する。

「こだわった造形を行いたいセミプロ~プロユース層のニーズを満たすためにもファームウェア側の継続的なアップデートは不可欠ですね。実際1カ月ほど使っていた間にも、ファームウェアのアップデートがあり、造形の質やプラットフォームからの剥がしやすさが劇的に向上したので、今後のアップデートにも期待したいです」

Form 2は紫外線レーザーをレジンが入ったトレーの下から照射し、プラットフォームが上にあがっていく吊り下げ式の造形方式を採用している。 Form 2は紫外線レーザーをレジンが入ったトレーの下から照射し、プラットフォームが上にあがっていく吊り下げ式の造形方式を採用している。
プラットフォームからスクレイパーで造形物を剥がし、洗浄キットで洗ってサポート材を取り除く。 プラットフォームからスクレイパーで造形物を剥がし、洗浄キットで洗ってサポート材を取り除く。

FFF(熱溶融造形)方式の3Dプリンタと比較すると、材料の取り扱いの難しさや本体や材料の価格面から、決して初心者向けの3Dプリンタではないが、よりクオリティの高い3Dプリントを必要とするMakerやエンジニアにとっては最有力候補の1台となるだろう。

デュロメータA 80相当の硬度を備えたゴム製品の試作が可能というFlexibleレジンで造形したサンプル(上)。 デュロメータA 80相当の硬度を備えたゴム製品の試作が可能というFlexibleレジンで造形したサンプル(上)。

 

取材協力:あッ3Dプリンター屋だッ!!(東京メイカー×ストーンスープ×ミライス)
http://ah3dprintshop.com/

Formlabs
https://formlabs.com/ja/

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