「作ってみた」からはじめる大学
電子工作からはじめよう! 大学が取り組む理系ガールの今
Raspberry Piが世界で300万台売れ、電子工作をテーマにした漫画「ハルロック」が話題になるなど、電子工作のすそ野が広がりつつある中、大学が授業やワークショップに電子工作を取り入れているケースが増えているという。
fabcrossでは、女子在校生向けに「Fab Girl Project」と題したワークショップを開催する芝浦工業大学と、女子中高生向けに学研「大人の科学マガジン」のキーボードポケットミクを使ったワークショップを実施した津田塾大学を取材。大学から見た理系女子の今について聞いてみた。【撮影:青木理奈(津田塾大)、fabcross編集部(芝浦工業大)】
Raspberry Piを使ってポケットミクでミュージカル
津田塾大学女性研究者支援センターが2011年から毎年開催している「女子中高生のための情報・メディア工房」は、企業見学とものづくりワークショップを体験する1日体験イベントで、対象は女子中高生。
取材した日は午前中に日本マイクロソフトのオフィスを訪問し、社内見学やエンジニアとして活躍する女性社員との交流の後、午後から津田塾大学非常勤講師でプログラミング教育の専門家、阿部和広氏のレクチャーのもと、ポケットミクとRaspberry Piを使い、プログラムした楽曲を2人1組になって演奏するワークショップだ。
2人1組のグループになり、まずは今回使用するビジュアルプログラミング言語のScratchの使い方のレクチャーを受けた後、アイデアを紙にまとめ、Scratch上でキャラクターの動作や背景の設定から吹き出しで表示するセリフの入力、ポケットミクで再生する歌まで数時間で作りこむ。
プログラミング初心者の10代の女子をサポートするのは、津田塾大学学芸学部情報科学科に在籍する現役の学生を中心としたボランティアスタッフ。数カ月前から勉強会や合宿を重ねてツールの使い方を学んだうえで本番に臨んでいるだけあり進行もスムーズだ。
およそ3時間程度でプログラムを完成させた後、一組ずつ演奏し投票しあってワークショップは終了。プログラミングの入口のレクチャーから開発の最前線で活躍する女性エンジニアとの交流まで充実した内容のプログラムは人気が高く、今年は定員に対して3倍の応募があったという。