Julie Wataiと電子工作チャレンジ!
世界に一つだけのくま型トイデジタルカメラを作ろう
オリジナルデザインの筐体を制作
デジカメの筐体も作りましょう。
まずデザインイメージのラフを起こすところからスタート。Julieさんから「こんな感じで」という原案画像をいただきました。
「なぜクマなのかというと、なんとなく……かわいいからです……」(Julieさん)
筐体は3Dプリンタで出力するので、この原案から3Dモデルをおこします。
STL形式で出力した3DモデルデータをDMM3Dプリントサービスへ送ると、立体出力時に最適なデータへと変換されます。
こうして出来上がった3Dデータをいよいよ3Dプリントします。使用する3Dプリンタは「Objet500 Connex」(Stratasys製)というモンスターマシン。このObjet500 Connexはマルチマテリアルに対応していて、異なる物性の樹脂を2種類同時に出力できるんです。
どういうことかというと、「ある部分は硬く、ある部分は柔らかく……」といった3D出力が可能だということです。こんな芸当できる3Dプリンタはなかなかありません。そしてObjet500 Connexを持っている3Dプリントサービスは国内だとまだまだ少ないそうです。そんな最新機器をいち早く導入しているDMM3Dプリントサービスさんはさすが気合が入っています!
というわけで、3DデータをDMM3Dプリントに預け、ワクワクしながら数日待機。今回のカメラ筐体程度のサイズを出力するには、まる1日かかるため、出力物が手元に届くまで発送も含め数日かかります。
……そして数日後。
ついに筐体が届きました!
イメージどおりの造形物を届き、大満足。しかも今回はDMM3Dプリントサービスさんのご好意で、別素材でも出力していただきました。ご協力ありがとうございました!
電源スイッチとシャッターボタンを取り付ける
まず初日に取り付けていなかった、電源スイッチをはんだ付けします。
ちなみに今回の撮影は前回と場所を変え、筆者の事務所であるMetacraftで行いました。
今回もHAKKOのはんだごてでスイスイ作業を進めます。
次に、シャッターボタンを取り付けるための穴を筐体に開けます。モデリングの段階ではまだどんなボタンにするか決めていなかったので、あとからホールソーで穴を開けました。
今回はこんなスイッチをシャッターボタンに採用。採用理由は……かわいいからです。
ガリガリィッ! ゴリゴリィッ! っと穴を開ける作業……気持ちいいです。
穴はきれいに開いたんですが、シャッターボタンの採寸をミスっていたようで……すんなりハマらず。ヤスリで削って穴のサイズを微調整します。
シャッターボタンにぴったりの穴が開いたのでハメ込みます。
シャッターボタンをハメこんで、Arducamにはんだ付け。Arducamの電源、グラウンド、トリガーのピンに、シャッターボタンの赤、黒、白のラインを取り付けます。
プログラムのインストール
ここでArducamのプログラムは、公式サイトからダウンロードしてArduinoにインストールするだけ。(Arduinoの扱い方はここでは省略します)
まず、 Arducam公式サイトのダウンロードページから最新版プログラムをダウンロード。ダウンロードファイルを開き、ArduCAMフォルダ内examplesの中から、使用するカメラモジュールの名前がついたスケッチをUSB経由でArduinoにインストールすればOKです。今回はArduCAM_MT9D111_LCD_CAM_SD_BMPというスケッチ(Arduinoのプログラムのこと)をインストールします。
最終組み上げ
ここで一度電源を入れて起動テスト。事前にバッテリーを充電しておくことをお忘れなく。
起動テストも完了し、筐体のふたを閉じれば完成です。
完成
右目は電源スイッチ。左目部分にはバッテリーインジケーターのLEDが光っています。左目表面はナットを使って装飾しました。
実は、いろいろと大人の事情で完成までに3カ月以上かかったこのカメラ……(笑)完成までに日を要したため、感動もひとしおです。