自分で作って学ぼうシリーズ
3Dプリンタは作れる! 自作3Dプリンタを組み立てよう
あなた、もしくはあなたの周りにこんな人はいないだろうか。
「3Dプリンタを買ったんだけど、動かなくなってそれっきり使ってないんだよねー。」
修理対応しているメーカーもあるが、個人向け3Dプリンタは比較的壊れやすく、修理に出すとなると海外に送るため時間がかかるということも、ままある。
3Dプリンタの構造を理解し、トラブル時でもある程度自分で対応できれば、多少のトラブルも怖くない(はず)。今回はオープンソースの3DプリンタRepRap atomを組み立てることで3Dプリンタについてより深く理解しよう。(撮影:加藤甫)
今回協力してもらったのは、fabcrossにも何度かご登場いただいているGenkeiの加藤さんと千村さん。Genkeiでは3Dプリンタを自分で組み立てるワークショップを定期的に開催していて、小学生からシニア層まで参加者は幅広い。
今回は比較的組み立てやすく、国産RepRapの代表的な3Dプリンタキット「atom(12万9800円)」を組み立ててみた。
今回の記事はささっと読むだけでも3Dプリンタの構造と、組み立てるプロセスが把握できるよう写真を多めに載せている。自分で3Dプリンタを組み立てていて詰まった場合にも参考になるよう、難しいポイントの写真も多く載せているので、ぜひ参考にしてほしい。
Genkeiの加藤さん(左)と千村さん(右)、組み立てるのはfabcross編集部の林田(中央)。まさか林田も3Dプリンタを仕事で組み立てるなんて考えてもいなかったと思う。
準備
これが今回組み立てるatomのパーツと工具。特殊な工具を使う必要はなく、大半はホームセンターやネットで購入可能なものばかり。
組み立てる工程はおおまかに言うと、X軸(手前・奥)、Y軸(左・右)、Z軸(上・下)、出力部分、電源や制御基板などその他のパーツをそれぞれ組み立てて、最後に全てを合体させた後に出力時の微調整をするといった流れだ。
使用するボルトやナット、ねじも種類ごとに分けて分かりやすくしておくことも大事。
Y軸の組み立てからスタート
まずはY軸を組み立てていく。Yエンドと呼ばれるパーツを作る。パーツとパーツの間にボルトを通しワッシャーを取り付けていく。パーツが小さいので手先があまり器用ではない人には少し難しいかもしれない。
ちなみにワークショップでは6時間かけて組み立てるが、人によって完成時間はまちまちで子供がスイスイ組み立てている横で大人が苦戦していることもよくあることらしい。
Yエンドが出来上がったら、アクリルとアルミニウムのフレームを重ねてYエンドを取り付ける。
次にモーター部分の組み立てだ。ベルトを動かすためのプーリーをモーターに取り付け、プラスチックパーツとモーターを組み合わせる。小さな穴にボルトを差し込んでナットで固定するなど、ここでも細かい作業が続く。
出来上がったモーター部を先ほどとは別にプレートを作って取り付ける。
中学の時に工作の成績が悪く高校の推薦枠を逃した暗い過去を持つ私には見ていて過酷とも思える作業が続くが林田は淡々と進めていく。
完成した2つのプレートの間にシャフトを4本通し、結束バンドでベアリング部分を固定したアルミ板を組み合わせて、ベルトを通す。だいぶ3Dプリンタらしくなってきた。
最後に出力物を受ける板を設置してY軸は完成。