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私の肩をたたいてくれ! 肩たたきをゲームにする服を作ってみた

大学生だった時にアニメで見た、縁側で小さな子どもがおばあさんの肩をたたくシーン。私に「将来、あのおばあさんみたいに孫に肩をたたいてもらいたいな〜」という小さな夢ができました。でも、私には孫どころか子どももいません。

かなわぬ夢のまま、このまま老後を迎えるのかな……と思っていたところ、姉に子どもが生まれ姪ができました。そろそろ会話も通じるようになったこのごろ、これはあの夢をかなえることができるのでは? よし、姪に肩をたたいてもらうぞ。

でも、自分が小さいころは、肩を叩くのは正直あまり好きではありませんでした、というか嫌い。頼まれてちょっとやってもすぐ飽きてしまって、「まだー? もういいー?」と言いまくっていた覚えがあります。姪にイヤイヤやってもらいたくはない。うーむ、ではゲームにしてしまおう。姪は楽しく遊んで、実は私の肩をたたいている、そんな風にしてしまえばWin-Win! よし、肩たたきをゲームにするマシンを作ろう。

反射神経ゲームのコントローラーは肩パッド

さて、どんなふうにすれば肩たたきがゲームになるでしょう。考えてふと思い出したのが「ワニワニパニック」。出てきたワニを素早くハンマーでたたくと得点になる懐かしのアーケードゲームです。やることは単純ですが、子どもの頃夢中になって遊びました。ワニはともかく、素早く反応してたたく、というのは肩たたきのゲーム化に使えそう。
よし!肩にパッドをつけて、たたく反射神経ゲームにしよう! ということで、左右の肩に付けたパッドを指示通り素早くたたけたらクリア。光や音でたたく方向指示やアタリを表示するゲームにすることにしました。

次は形です。洗濯する時には取り外せる方がいいし、たたいてもらう場所も後で変えられれば腰もやってもらえて嬉しいかも。となれば後付けでパッドを服に取り付ける形がベター。スナップボタンやベルクロで本体を貼り付けよう。というわけで、上のイラストのような、反射神経ゲームをできる機械を作って服に取り付けることにしました。

試作機は肩壊しマシンに

まずは中身から作ります。圧力センサー2つとArduinoをつなげて、試作機を作ってみました。四角いパッドが圧力センサー。LEDの光った方のパッドを押すと正解。指定した秒数以内に正解すると青いLEDが光るようにプログラムしています。圧力センサーにフェルトを貼り付けて、スナップボタンで肩に取り付けられるようにしたら試作機完成!

机上でやってみると単純だけど楽しい! これさえあれば、子どもが肩たたきゲームを自分から「やりたい!」となる! このゲームで全国の肩たたきをしてもらえない疲れたお父さんお母さんを救ってしまうかも、と妄想が広がります。

ところが試しに夫にやってみてもらったところ、問題が……。夫が私の肩をめちゃめちゃ強くたたいてきます。痛い痛い! 夫いわく、「ちゃんと反応させたいし早くたたかなきゃと思ってついつい強くなっちゃう」とのこと。
このままでは肩壊しゲームになってしまう……。それに「せっかくなら点数見えた方がいいな」「どっちたたいたらいいかわかりにくい」などの意見があったので改良することに。

大きな改良は2つ。1つは強さの判定。たたく強さが強すぎても弱すぎてもダメ、私が気持ちいいくらいの強さでたたいたときだけアタリとなるようにしました。センサーで読み取った圧力を、実際テストでたたいてちょうどいいくらいの値のときだけ、プログラムでアタリと判定するように改良しています。もう1つは頭にオンしたディスプレイ。左右どちらの肩をたたくかの指示を出します。また、うまくいった場合はGOOD、失敗の場合はBADと表示するようにしました。

意外に難しいぞ! 大人が遊んでみた

では実際に使ってみます。まずは大人から。夫や友人に肩をたたいてもらいましょう。ディスプレイに出る矢印の方向の肩パッドを素早く、ちょうどよい強さでたたくとGOODと出ます。
20秒で終了し、最後に100点満点でスコアが表示されます。

実際やってみると、これが意外と難しい。パーフェクトはなかなか出ず、それどころか人によっては連続で0点なんてこともありました。

「え、なんでそんなうまくいくの」「広く押す感じだとイケる」「いっそもんだ方が得点高いぞ!」と微妙に盛り上がり、「もう一回やらせて!」と結構肩をたたいて&もんでもらうことに成功。

難しくなったのはパッドが肩に付けられたから。机の上にパッドを置いてたたけばほぼ100点が出るのですが、肩だと骨や肉で硬い部分や柔らかい部分があり、たたく場所が少しずれると同じようにたたいてもちょうどいい強さとして認識されません。なのでたたく方にもワザが必要に。機械の性能としてはよくないですが、むしろそれがゲーム性になって何度も挑戦する要素になったよう。これまでで生きてきた中で最も肩をたたかれ&もまれました。制作の縫いもので肩が凝ったのでトントンというところでしょうか。

夢はかなうのか!? いよいよ姪に遊んでもらう

大人には楽しんでもらえた肩叩きゲーム。満を持して姪に遊んでもらいます。姪は4歳と2歳の2人。メインターゲットは4歳の姪です。

取り出すと寄ってきてくれて、「これはイケるか!?」という雰囲気。ところが、彼女が興味を持ったのはマシンから飛び出たケーブル。ケーブルをくるくる巻いたり引っ張ったりして遊ぶ一方、肩たたきゲームにはまったく興味を示してもらえず。結局1回も遊んでもらえませんでした。

彼女のお母さんいわく「ちょっと難しかったね。矢印がまだ分からないの」とのこと。成功/失敗のときのGOODとBADの表示は分からないだろうとは思ったのですが、そうか、矢印も分からないのか。身近に子どもがいない故に、4歳児に合わせられず。改良でむしろ大人が楽しめる方向に向かってしまったのが敗因となりました……。彼女が成長し、いつか興味を持ってくれる時までお蔵入りです。

ちなみに肩を叩いてもらえなかった私をふびんに思った義兄が、2歳の姪の手を持って肩をたたいてくれました。彼女が笑ってくれたので「姪に肩をたたいてもらいたい」という願いはかなったことにします!

肩たたきゲームは我が家のクローゼットへ

4歳の姪にはフラれましたが、大人には好評だった肩たたきゲーム。今後は姪用ではなく、夫用として使われることになりました。肩たたいて? と言いにくいあなた、肩たたきゲーム服を作ってみては? きっと「もうやめて!」というまで肩をたたいてくれますよ。

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