Dr.片山の100均ロボット研究室
もう床を傷付けない。落ちそうで落ちないプチ電車
こんにちは。片山均(かたやま ひとし)です。愛媛県八幡浜市にある三瀬医院で院長を務めながら、100円ショップのグッズを材料に低予算ロボットを生み出しています。
100円ショップのダイソーに「プチ電車シリーズ」という電車のおもちゃがあります。安いので買って遊んだりしたこともあるのではないでしょうか。
テーブルの上などでも手軽に走らせることができるのはいいのですが、テーブルの端っこに行って落ちてしまい、床が傷付いてしまうことも。
この問題を解決すべく、今回は「落ちないプチ電車」を作ってみました。
「落ちないプチ電車」製作過程
今回の材料はこちら。
- プチ電車シリーズ成田エクスプレス②駆動車 1個
- 竹の箸 4本
- 竹串 2本
- ミニストロー 2本
- 厚紙 適量
- タイルマット 適量
- 輪ゴム 2個
では作っていきましょう。
まずはざっとした設計図を作りました。誰が何と言おうと、これは設計図です。
円形に切り出したタイルマットの両面に厚紙を貼りプーリーを作ります。
円形に切り出した厚紙に切り込みを入れて接着し、円錐型のパーツを作ります。
竹の箸、ミニストローをグルーガンで接着し、電車が乗るやぐらを作ります。
やぐらに円錐形のパーツを接着します。
右の車輪は自由に回るように、中心にミニストローを通します。
本体に後輪とプーリーを取り付けます。
前輪とプーリーを取り付けます。
プチ電車の後輪を載せるタイルマットを取り付けます。
プーリーに輪ゴムを掛けたら完成です!
…と思ったのですが、バランスの加減を見て最後の最後に前輪の位置を左側に付け直して、本当の完成です!!
電車本来の形からは遠ざかったけれど…、自力で曲がる電車ができた
この「落ちない電車」は、前輪の前方にある円錐状のパーツが机からはみ出すと、常時右回転している前輪が接地してプチ電車が右折し、転落を回避する仕組みとなっています。落ちそうになったら右折、落ちそうになったら右折。そう、右折しかできない電車なのです。
作ること自体はそれほど難しいところはないのですが、完成したあとに動かしてかなり微調整を繰り返さないと、思った通りの動きをせずに机から落ちてしまいます。
今回は机から落ちなかったのでこれで完成としましたが、もっと車輪の大きさや位置などを調整することで、より安定した動作をするのではと思います。
今回「落ちない電車」を作ってみて、確かに転落のリスクは減りますが、本来の電車遊びのイメージとはかけ離れてしまったなと感じました。この状態では線路を走らせることもできませんからね…。
この作品は、本来線路がないとまっすぐにしか走れないプチ電車が、自力(?)で方向を変えながら走るという点がおもしろいと思います。
この後、線路がなくても蛇行して走るプチ電車も作ってみました。
作ってみて、「やっぱり本来のプチ電車とはずいぶん見た目が違うな……」と思いました。
もうちょっと電車らしいフォルムになるよう、これからも試行錯誤していきたいと思います。
第15回の研究発表は以上です。次回もお楽しみに!
企画・制作:片山均
取材・文:三浦一紀