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ギャル電きょうこの意識の低い工具入門

ホットボンドは永遠じゃない。でもこれほど使えるものはない #ギャル電きょうこの意識の低い工具入門

路上の電子工作伝道師、ギャル電のきょうこさんが、電子工作初心者に工具の大切さを伝える「ギャル電きょうこの意識の低い工作入門」。ニッパーにはんだごてときて、今回はなんと「ホットボンド」。日常生活であまり見かけないホットボンドですが、実は結構奥が深いもののようで、きょうこさんは鼻息荒く話し始めます。

主に手芸界隈やアメリカン電子工作界隈でよく使われている

ホットボンド、僕らはきょうこさんが使っているのをよく見ていますが、実は他の人が使っているのをあまり見たことがありません。いったいどういう人が使ってるんでしょうかね。

「電子工作界では一部の人は当たり前に使ってるけど、初心者には電子工作用ツールとしてはあんまり認識されてなかったりする印象がある。一般的にはよく手芸界隈の人たちが使っているんじゃないかな。あとはYouTube見てアメリカンな電子工作を始めた人は使ってる印象があるね」

アメリカンな電子工作……。まあ、なんとなくニュアンスはわかります。ざっくりした電子工作ですかね。ギャル電の電子工作に近しい感じ。

「でもね。【電子工作 ホットグルー】でググると、絶縁用のやつがちゃんとあるんだよね。はんだ線と同じで、ホットグルーの素材の配合にもいろいろあるみたい」

ホットグルーって、いわゆる「弾」って呼ばれてる、溶かして目的のものをくっつける溶剤ですよね。長細いやつ。あれにいろいろな種類があるんですね。

「その話は後でやるとして、最初はグルーガンの選び方を説明しようか」

そうしてください。よろしくお願いします。

グルーガンは100円ショップのやつでもOK

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きょうこさんはそう言うと、いろいろなグルーガンを取り出して並べ始めました。形はほとんど一緒ですけど、それぞれ違うんですよね。

ダイソーのグルーガン。220円 ダイソーのグルーガン。220円
きょうこさんがタイのホームセンターで購入したグルーガン。100-240V対応 きょうこさんがタイのホームセンターで購入したグルーガン。100-240V対応
きょうこさんご愛用のグルーガン。500円くらいのもの きょうこさんご愛用のグルーガン。500円くらいのもの
HAKKOのグルーガン。実勢価格は2500円前後 HAKKOのグルーガン。実勢価格は2500円前後

「まあそうなんだけど。私に言わせれば、ぶっちゃけどれでもいいかな。究極、100円ショップのグルーガンでいいんじゃね?」

そんなもんなんですか。どれ使ってもあまり変わりがないんですね。

「ただ、100円ショップのやつはコードが短いから、できればもうちょっとお金出してコードが長いやつを選んだ方がいい」

コードが短いと取り回ししづらいですもんね。どのくらいの価格帯のものを買ったらいいんですか? 5000円とか?

「私が使ってるエースのグルーガンは、500円くらいだよ」

そんなもんなんですか。安いな……。しかし、汚いですねこれ。

「この汚さが普段使いのリアル。エースだなと(笑)。値段の話をすると高いものは数千円のもあるけど、それは機能が違う。この大きいのは高温タイプなんだけど、他のに比べてグルーを溶かす温度が高いの。HAKKOのは170度かな。低温のは140度くらい」

へえ。低温と高温の使い分けについてはまた後で説明してもらうとして。まずは簡単な使い方について教えてください。

ホットボンドは接着剤よりも幅広く使える

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きょうこさんが取り出したのは、小さく切ったダンボール。

「まずは一般的な使い方ね。これはダンボールだけど、同じ素材同士をくっつけるのに使う。しかものりとかボンドが苦手な、立体的にくっつけることがホットボンドならできる」

あまり垂れてこないから、側面の面積が狭いところにも使えるんですね。

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「側面にグルーを塗って、ダンボールをくっつければ、ほら。こんな屋根みたいな形も簡単にできちゃう」

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なるほど! 確かにこれは便利だ。接着剤だとこんなに簡単にくっつけられないですもんね。

「グルーガンでグルーを温めるのに3分から5分くらい時間が必要だけど、温めればすぐくっつけられるのがホットボンドのいいところだよね。すぐ固まるし、接着剤みたいに乾くまで待たなくても直感的に形が作れてむっちゃ便利」

そうですね。なんかすごく便利なものに見えてきました。

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「あとは手芸の人がよく使うのは、布地にプラスチックのアクセサリーを付けるみたいな、違う素材同士をくっつけるとき。平面のものなら普通のボンドでもいいんだけど、手がべたつくから私はあまり好きじゃない」

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おお、結構盛りますね。

「これをベタッと貼り付けるだけ。もうこれでお出かけできちゃう。出かける前に靴のビジューが取れちゃったけど、接着剤が乾くまで待てねえみたいなとき、ホットボンドはマジ便利」

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でも、なんか糸みたいなのが出ますよね。

「それはもうしょうがない。ホットボンドの宿命だから」

宿命なんですね……。

ギャル電流ホットボンドの使い方

ギャル電流のホットボンドの使い方ってあるんですか?

「あるね。電子工作でホットボンドを使うのは、こういうのを付けるときだね」

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よく見るLEDテープですね。確かにきょうこさんが、これをホットボンドでくっつけてるの、よく見かけます。

「これ、LEDテープに電線をはんだ付けしたところなんだけど、はんだ付けだけだと電線が取れやすいのね。だからホットボンドでコーティングして、補強してあげる」

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線の固定とコーティングをホットボンドでやるということですか。

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「あと、スイッチの足の固定にもよく使う。スイッチの足って細いじゃん。ケースとか入れない場合は、ここを固めておくと外れないよ。体感3倍くらい強くなる」

これは結構実用的な使い方かも。見た目も頑丈そうですしね。

「はんだ付けした後にホットボンドでコーティング。なんちゃって絶縁だね。絶縁と固定強化の役目。ただ、これ諸説あるんだよね。なんとなく雰囲気で電子工作やっている人はこの使い方よくするんだけど、実際どうなの? っていうのは諸説ある感じ。」

何がどうなんですか?

「ちゃんと絶縁できているのかの実験をやっているブログとかを見ると、高温になる電源部分に使うとホットボンド部分が熱で溶けて、溶けている状態だと通電状態になることもあるみたい。だから電子部品に使われる工業用のホットボンド(メルト)は耐熱性とか絶縁性でいろんな種類があって、用途とか使用環境でちゃんと使い分けしてるんだって。」

へええ。ホットボンドにもいろいろあるんですね。

「今までは一応、低温のホットボンドを使っても溶けることはなかったんだけど、ちょっと真夏でめっちゃ熱くなる現場とか高温になる部品を使うときは気を付けたほうがいいかも。とりまギャル電がやる電子工作で、そんなに高温になることないからね」

確かに。数Vとか10Vとかの世界ですからね。それほど熱くはならないでしょうから。あくまでもそういうこともあるという感じで。

「あとこの方法は、固定した部分をウェアラブルデバイスみたいにけっこう手荒に扱ったり、半年後とか時間経ったりすると、ホットボンド部分が剥がれることも全然ある。そういう時はまたホットボンドつけなおして、メンテしながら使ってる。」

剥がれたら付ける。付けても剥がれる。ホットボンドは応急処置には使えるけど、恒久的には使えないものなんですかね。

「まあ、普通に取れるよね。でも、ギャルにとって1カ月は長い。ホットボンドは永遠じゃないけど、3カ月くらいくっついててくれれば上等! っていう。その日遊びに行って取れなければいいよね、って観点で私はやってる」

ギャルにとって1カ月は長いんですね。僕なんて1カ月があっという間に感じますよ。昨日のこともよく覚えてないくらいですけどね。

ホットボンドと相性のいい素材悪い素材

ホットボンドって何でもくっつけられるんですか? だとしたら最強だと思うんですけど。

「相性のいい素材と悪い素材がある。いろいろ素材用意したからやってみよう」

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そう言ってきょうこさんは、いろいろなものを取り出してきました。

「これで、どれがホットボンドに向いてるか向いていないか、実験しようと思って」

なるほど。しかしまあ、たくさん用意していただいてすいませんね。

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「まずはビー玉。これガラスでツルツルしてるし曲面だから、ホットボンドと相性悪いと思う」

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あら、一見くっついたように見えますけど。

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「引っ張ったら取れちゃう。だから向いてないね」

接着面が少ないですしね。しかしきれいに取れるなー。

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「次は石。これハンズで買ってきた、つるつるしたいい石。賽の河原で子どもが鬼に石を積めって命令されても、ホットボンド使えば楽勝じゃん」

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そんなシチュエーション、ないんですけどね……。でも石はくっつきそう。

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「意外と引っ張っても取れないくらいにはくっつくね。これで賽の河原もクリアだね」

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いや、だからそんなシチュエーションないんですって。

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「次はビー玉とプラスチックの板。これ、多分普通にやったらくっつかないんだけど、ここで実験。高温用のホットグルー使ってみようかな」

ここで高温用グルーの出番ですね。

「低温のは溶けやすい素材だとかなり威力を発揮するんだけど、ガラスみたいな溶けにくい素材は高温用を使うといけるんじゃないかなと」

なるほど。じゃあやってみましょう。

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「くっつけた状態がかわいいね。このままオブジェになりそう。よく乾かしてから、剥がしてみると……」

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あれ、取れちゃった。

「高温でもダメだったね。やっぱりガラスはホットボンドと相性悪い。でも、ビー玉を置いておくスタンドとしてはアリだね」

すごく狭い需要な気がしますけど、確かにかわいいので置いておきたくなりますね。

「ちなみに、鉄は高温でくっつく。石は低温でOK。ガラスは高温でもNG。シリコンもNGだから覚えておいて」

わかりました。石が意外とホットボンドと相性がいいのは驚きましたね。

「あと、ホットボンドとめちゃくちゃ相性悪い素材があるんだよね」

それはどれです?

「薄いプラ板と発泡スチロール。これは熱に弱いからホットボンドだと溶けちゃう」

なるほど。確かに溶けちゃいますね。高温のものを使ったら一発アウトって感じ。

薄いプラ板に低温用グルー(左)と高温用グルー(右)を盛ったところ 薄いプラ板に低温用グルー(左)と高温用グルー(右)を盛ったところ

「薄いプラ板は、低温でも高温でもダメ。裏が縮んで汚くなる。高温だと穴が空いちゃう」

確かに。ちょっとこれはきついですね。低温でもギリギリ。高温は完全にアウトですね。

「発泡スチロールは溶けちゃう。見てみて、泡立ってる」

発泡スチロールに低温用グルーを盛ったところ。泡立ってる 発泡スチロールに低温用グルーを盛ったところ。泡立ってる
高温用グルーを盛るとさらに泡立つ 高温用グルーを盛るとさらに泡立つ

ほんとだ。うーん、この2つは低温でもあまり結果がよくないので、ホットボンドは使わないほうが無難ですね。

高温用と低温用を使い分けろ!

「今回、一番伝えたいことをこれからやるから」

な、なんです? 急に。

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「このサンバイザーに取り付けている基板。よく剥がれるんだよね。ただ高温用のホットグルーだとサンバイザーが溶けちゃうから、ここは低温激盛りで。低温用のホットグルーはすぐ固まっちゃうから、素早く接着するのがポイント。チャンスは一瞬だよ」

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なるほど。的確に素早くつけるのが重要と。

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「あと、低温用でも盛りすぎると溶けちゃうから、適度な量で。これはもう経験で」

さっきのプラ板の実験で、こういう素材は溶けちゃうのわかりましたしね。気を付けます。

「あと、手強い素材が合皮。合皮はほんとホットボンドと相性悪い」

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でも、ギャル電は結構合皮に基板くっつけたりしてますよね。

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「そうそう。だからこここそ高温用の出番かなって。結構コツがあって。裏がガタガタしている基板とかは、両端にホットグルーをたくさん盛るようにすると、くっつきやすい。このやり方だと結構もってくれるんだよね。ホットボンドは永遠じゃないけど、これで3カ月いける。高温用だったら完璧」

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合皮には高温。覚えました。

「服に基板を今すぐ貼り付けなきゃいけない人とか結構いると思うから、参考にして。ただ、合皮以外の布素材は低温でも大丈夫。ケバケバしている素材はホットボンドと相性いいよ」

服に基板を今すぐ貼り付けなきゃいけない人……。どれくらいいるんだろう……?

グルーは値段によって何が変わるのか?

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お次は、きょうこさんが試したいというグルーの違いについて、やってもらいましょう。

「今まであまり比較とかしてなかったんだけど、この際だからやってみようと思って。グルーガンのキレとかに影響あるんじゃないかな」

セリアのグルー セリアのグルー
ダイソーのキラキラグルー ダイソーのキラキラグルー
グット(左)とポラリス(右)のグルー。それぞれお値段400円くらい グット(左)とポラリス(右)のグルー。それぞれお値段400円くらい
テクノスのグルー。600円くらい テクノスのグルー。600円くらい
HAKKOのプロ用グルー。他のものより太くて長い HAKKOのプロ用グルー。他のものより太くて長い

ホットグルーによって使いやすさが変わってくるかもしれませんしね。やってみましょう。

「まずは成分表をチェックしよう。実はメーカーによって成分の配合が違ってるんだよ」

セリアのグルーの成分表 セリアのグルーの成分表
ダイソーのグルーの成分表 ダイソーのグルーの成分表
グットのグルーの成分表 グットのグルーの成分表
ポラリスのグルーの成分表 ポラリスのグルーの成分表
テクノスのグルーの成分表。低温高温兼用 テクノスのグルーの成分表。低温高温兼用
HAKKOのグルーの成分表 HAKKOのグルーの成分表

へえ。同じように見えて違うもんなんですね。

「どう違うかは使ってみないとわからないけど。メーカーによっては何度で溶けるか書いている場合もあるから、一応見とくといいかもしれない」

温度調整ができるお高いグルーガンとか使ってると、この辺重要かもしれませんね。では、それぞれ使ってみていただけますか?

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「まずはセリアで買ったやつ。いつも使ってるやつだね。まあ、普通だね。グルーガンも100円ショップのやつで、200円タッグ。いつもの使い心地」

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「次はポラリス。これは400円くらい。ちょっとグルーガンの引き金が重い感じがするから、粘度が高いんだと思う」

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「次はグット。これ結構好きで。100円ショップのホットグルーよりも使いやすい。あと糸が出にくい。乾くと透明度高いね。こういう特性を知っておけば使い分けができると思う」

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「期待のテクノス。これは今までで一番きれい。ホットグルー、値段が高くなるにつれて透明度があってきれいな感じがする。値段が高くなると、狙ったところに付けやすいかな。はみ出さずにきれいに盛れる」

ちなみにHAKKOのグルーは高温専用で、対応するグルーガンが現場にはHAKKOのものしかなかったので試せず。

この色の付いてるやつは?

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「これは見せる用のホットグルー。接着用途というよりは、モコモコペンみたいにこれで絵とか文字とか書くみたいな。服の隅っことかに。装飾やコスプレ用に使うことが多いかも」

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なるほど。確かにこれだけ派手な色だと、接着剤としては使いづらいですよね。見せる用かー、奥が深いな。

「これ、実はアクセサリー作りとかにも使えるんだよね。手芸DIY動画でやってるのよく見る」

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そう言ってきょうこさんが取り出したのは、レジン用のシリコントレー。これ見たことあります。

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「ここにカラーのホットグルーを流し込んで乾かせば、かわいいアクセサリーができるよ」

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ほんとだ! これいいですね。小学生女子とか喜びそう。

「こういうパーツ作りはレジンでやることが多いと思うんだけど、ホットグルーだとレジンよりも簡単にできるからオススメ。シリコントレーも、お弁当用とか氷用とかいろいろ売ってるから、もっと大きいものも作れるよ」

ホットボンドの新しい使い方、見た気がします。

ホットボンドと接着剤の合わせ技で時間差接着

「実はさ、ホットボンドと接着剤の合わせ技っていうのがあって、これが超絶効果あるんだよね」

合わせ技? どんな効果があるんですか?

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「用意するのはボンド。ボンドとホットボンドがあれば、くっつきにくい素材同士も素早く接着できるよ。たとえば、石とLEDテープ」

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そんなものくっつける需要あるんですかね。絶対ないと言えませんが。

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「こういう場合、普通LEDテープの粘着テープで貼るんだけど、なんか剥がれそうで不安じゃん。ちょっと何かに触れたら取れちゃいそうだし。そこでボンド。粘着テープのところにボンドを塗る」

まあ、わかります。これで粘着力アップですよね。ホットボンドの出番ありませんけど?

「ボンドはいい接着剤だけど、乾くまでに時間がかかるっていう弱点がある。少なくとも30分くらいは乾かしたい。でも、石LED持ってすぐに出かけなきゃいけないというときあるでしょ」

……あるかな……?

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「あるでしょ。そこでホットボンドの登場。ボンドを塗った両端にホットボンドを付けて貼る。これの何がいいかって、時間差で貼れるところ。ホットボンドは仮固定。そんなに量は多くなくていい。あんまり盛るとはみ出ちゃうし。ボンドが乾くまでホットボンドが固定してくれるから、すぐ使えるししっかりくっつく。こんな風にボンド+ホットボンドの合わせ技で完璧」

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「ホットボンドは永遠じゃないけど、ボンドは永遠。ホットボンドだけだと3カ月だけど、ボンド+ホットボンドならもう3カ月くらい寿命伸びるよ。半年ってギャルにとっては一生だね。ボンドだけだと乾くまでに時間がかかりすぎる。人生短いから待てない」

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ギャルって時間の流れ遅いんですか?

グルーガンの小技、教えちゃいます

今回、きょうこさんはいくつかグルーガンを持ってきてくれましたが、そのうちの1つが、グルーガンを立てる台が取れちゃってました。100円ショップのグルーガンは取れやすいみたい。

「グルーガンって熱くなるし、先端からグルーが溶けて垂れてきちゃうから、机に直置きはNG。あと横置きとかノズルが下向きになっていない置き方はグルーが本体内部に逆流して、故障とか発火の恐れがあるから超注意して!

でも、台が取れちゃったら立てて置けない。そんなとき、100円ショップにあるシリコントレーと洗濯ばさみがあるといいよ」

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ギャル電の電子工作って、100円ショップ大活躍ですよね。いいことです。

「このシリコントレーに洗濯ばさみを2つ付ければ、あっという間にグルーガンスタンドの出来上がりだよ」

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ああ、なるほど! これなら、安全にグルーガンを立てておけますね。

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「これ私が考えたわけじゃなくて、TikTokとかInstagramで見かけて、いいなと思って真似してる。ダンボールで受けるよりもスマートだしね」

そうですね。今日はダンボール大活躍ですけどね。

「あとね、やってみたいことがあるんだけど。グルーガンのノズルを交換したいんだよね」

ほうほう。グルーガンのノズルって種類あるんですね。

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「そうなのよ。これHAKKOさんのノズルなんだけど、使ったことないから使ってみたいと思って」

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じゃあ、さっそく交換してみましょう。

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「グルーガンのノズルって、温度が高いときじゃないと外れないの。素手じゃ絶対触っちゃダメ。ペンチやレンチを使って交換しようね」

はい。確かに高温の状態じゃないと、ホットグルーが固くてノズルも回りませんもんね。

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「よし装着完了」

それじゃあさっそくグルーを出してみましょう。

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「すげえええええええ! 最高! これはグルーガニストの夢。マーカーみたいにグルーが引けるって最高of最高! これ、広い面に塗りやすいね。布同士をきれいにくっつけたいときとか、素材の端とかにきれいに薄く塗りたいときに向いてるね。天才だね、このノズル」

テンション爆上がりですね。確かに、今までの細いノズルとは違う出方で、用途によって使い分けできますね。

「ちなみに、もっと先が細くなっているノズルもあるから、興味のある人は探してみるといいよ」

はーい。

「あとね。固まったグルーを簡単に剥がす方法もあるよ」

へええ。経年劣化で剥がれちゃう以外に自分で剥がすこともできるんですね。

「使うのはこれ」

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レジン用のクリーナーですか。

「別に無水アルコールとかでもいいよ。これを固まったレジンにかければ、するっと取れる」

へえ、見せてくださいよ。

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思ったよりするっと取れる! すごい!

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「布とかの場合は、裏側から染みこませるときれいに取れるよ」

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なんかこれ気持ちいいですね。するっと取れる。もし固まったグルーを取り除きたい場合は、レジン用のクリーナーや無水アルコールなどを使いましょう。

グルーガンの中身を見てみよう

最後に、きょうこさんがぜひやってみたいことがあるそうです。それは「分解」。ということで、100円ショップのグルーガンを分解してみましょう。

「グルーガンの分解に関してはひとつ声を大にして言っておかないといけないことがある。それは、わたしもだけど電源とかに詳しくない人は分解/改造したグルーガンを組み立てて使うのはやめといたほうがいいっていうこと! 電池とかじゃなくてコンセントに差し込んで使うタイプのものは、基本いっぱい電気流れるから超危ない! 」

了解です。よい子は絶対やらないでね!

ダイソーのグルーガンを分解します ダイソーのグルーガンを分解します

「分解するよー」

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うーん、中は意外とシンプルですね。

銃身にあたる部分にヒーターがある 銃身にあたる部分にヒーターがある

「結局、グルーを押し出して使うことに特化してるから、温度を上げるヒーターと、押し出す部分という感じの部品構成だね」

引き金を引くとググッとグルーが押されて出てくる仕組み 引き金を引くとググッとグルーが押されて出てくる仕組み

構造としてはわかりやすいですね。ちなみに、グルーガンの部品固定にホットボンドが使われてますね。

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これ、分解して改造してる人とかいるんですか?

「ヒーターと電源部分を外して、押し出すところの注射器を仕込んではんだペースト用にしている人とかいるね」

またマニアックな使い方ですね。

「ガンタイプで押し出して使うシンプルな構造だから、いろいろ考えられるよね。銃身にあたる部分にゼリーを仕込めば、押し出しゼリーが食べられるかもね」

それはちょっと興味あるけど、おいしそうには思えないんですが(笑)。

さあみんな、ホットボンドを使おうぜ!

ということで、グルーガンをひとしきりいじくり倒しました。きょうこさんはなんでもかんでもホットボンドで接着したり固定したりしてますけど、実は奥が深いことがわかりました。

まあ、僕きょうこさんが使っているところ以外で、ホットボンドを見たことないんですけどね……。みんな、これを機に使ってみようよ!

ということで、「ギャル電きょうこの意識の低い工具入門」、第3回はこれにてお開き。さて、次回はどんな工具が出てくるのか? お楽しみに!


ギャル電 きょうこ

今のギャルは電子工作する時代! ギャルによるギャルのための電子工作を提案するユニット「ギャル電」で活動している。 最近ハマってる飲み物はトマトジュース(無塩)

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