それ、ラズパイでつくれるよ
それ、ラズパイでつくれるよ——議事録もとれるよ! お酒の席での悩みを解決してみた
「Raspberry Pi」の活用例を紹介する連載企画「それ、ラズパイでつくれるよ」。第8回はGoogle Cloud Speech APIとサーマルプリンターを使って、話した内容をレシートの形で出力する。
連載初! それパイへのお悩み解決依頼
ご存知だろうか。連載の記事の最後に毎回
「※このコーナーでは、みなさんの「それ、ラズパイでつくれるよ」をお待ちしています。問い合わせフォームからドシドシご応募ください。」
と書いてあるのを。
これまで技術的な質問は何度か頂いていたが、ついに、「私の悩みをラズパイで解決できないか」という相談がきた。
こちらが依頼主、都内IT企業に勤めるベリーさん(仮名)。
彼女は飲み会でお酒が進むと声が大きくなり、周囲の人にドン引きされてしまうという悩みを抱えているそうだ。
これ以上、お酒にだらしないキャラが定着しないよう、ラズパイで解決できないか、という相談だった。
それ、ラズパイでつくれるよ!
ということでつくりました
ベリーさんは、飲み会の最中にいかに恥ずかしい姿をあらわにしているのか認識できていない様子。ビデオを撮って後から見せるのはあまりにかわいそうすぎるため、話した内容をメモしておくのが良いのではないかと考えた。飲み会の場で誰か一人にずっとメモさせるのはかわいそうなので、ここでラズパイの出番。話した内容を随時出力することで可視化すれば、ベリーさんも自責の念に押しつぶされることだろう。
そういうわけで完成した機械がこちら。大きな声をUSBマイクで検出し、内容をレシート形式で出力してくれる。
これでベリーさんの悩みも解消されるだろう。
飲み会で実践してみた
実際に居酒屋にベリーさんを呼び、実験をして効果を検証した。
謎の機械に少々戸惑いながらも飲み始める一同。
お酒が進むと相談された通りに声が大きくなるベリーさん。
このような形でレシートが出てくる出てくる。
お酒がさらに進みもはやレシートのことを気にせず大声で話し続けるベリーさん。ろれつが回らないのと周囲の雑音が相まって謎のレシートが量産されていく。
結局ベリーさんは飲んでは大声で絡みを続け飲み会は終了。どうやらその場で自粛させる効果はないようなので、反省会を行うことにした。
翌日の反省会
飲み会の翌日、同じメンツでレシートを振り返ってみました。
大きく成長したレシートの束を全て振り返るのは大変だ。
数点紹介していく。
飲み会が20時あたりに始まったため序盤の作品。個人的にすごく好きだ。
欲しいものは酒酒酒だ! って話をしていた時のもの。伸びしろしかない。
よく分からないけどまぁレシートが出ていることには冷静に反応している。
最近できたらしい彼氏とのなれそめを語っているシーン。誤認識のおかげでいい感じに大体の内容しか伝わらない。
前歯は枯れ、2週間ごとに奥歯を抜かれる日々。少し心配になってきました。
それでも祝福してほしい。
祝福してあげたくなったが、素直に祝福できなくなってしまった。こんな内容も大きな声で話していると出力されてしまう。
なんとなく幸せオーラ全開だが、非リア充の私には本当にこのように聞こえていたかもしれない。
お酒にだらしないキャラを脱却できるように行動しよう!
昨晩の飲み会で自分が話した内容を目の前にしてベリーさんも「最近のトピック全部しゃべってる……しかもレシートになっているということは全部大声で……? 昨日の飲み会は記憶あると思ってたのにこんなに喋った覚えがない。」と反省の様子。
大人としてお酒で失敗しないと心に決めたベリーさん。ラズパイで圧倒的課題解決だ。次のページで作り方を解説していくので、飲み会に限らずついつい声が大きくなってしまう人はぜひ作って試してみて欲しい。