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すき焼き目指してものを作れ!

私物を分析・分解・合体!超特急の「闇鍋ハッカソン」

寒さ極まるこの季節、読者の皆様はいかがお過ごしだろうか。こんな寒い時期に食べたくなるものと言えば、そう、鍋。そんな欲望を満たすべく、fabcrossとDMM.make AKIBAがタッグを組み、「闇鍋ハッカソン」を開催した。自分の持ち寄った素材で面白いものを作れば、美味しい鍋が食べられる。そんな「闇鍋」形式イベントの様子をお伝えしよう。

使う素材はほぼ持ち込み!

2016年1月23日、史上稀に見る大寒波に見舞われた日本列島。ものづくりの街秋葉原にあるDMM.make AKIBAには、お腹をすかせた17名の男女が集まっていた。

イベントの告知画像。 イベントの告知画像。

この日、ここで開催されたイベントの名は「闇鍋ハッカソン」。主催は当サイトfabcrossである。企業が製品やサービスを参加者に提供する一般的なハッカソンに対し、闇鍋ハッカソンでは参加者が持参した素材を組み合わせて作品を作る。通常とは指向が異なる、一見へそ曲がりなイベントだ。

さらに、怪しげな名称に参加者が尻込みするのを見越してか、イベント終了後には本格的な鍋が用意されているという。そんな目論見が功を奏し、鍋に惹かれて来た参加者は少なくなかったようだ。今回レポーターを兼ねて参加した僕も、そんな一人であったことは否定できない。

概要を説明する渡辺さん(DMM.make事業部)。 概要を説明する渡辺さん(DMM.make事業部)。

闇鍋ハッカソンのルールはただ一つ、自宅にあるものを何か一つ持ち寄り、チーム対抗で「新しい道具」を作ること。チームメンバーが持ち寄ったものは、全て残らず使いきらなくてはならない。

イベントはDMM.makeの渡辺仁史さんの進行で、参加者が持ち寄った素材の紹介から始まったのだが、これが見事にアクの強いものばかりであった。

  • 巻き取りが強すぎて使い物にならないストラップ
  • 携帯扇風機
  • 二人でも楽しめる(?)2組の軍手
  • 仕事で使っているバインダー
  • タミヤの組み立て済みギアボックス
  • 自転車用バルブキャップ
  • ドラゴンボールの音が出るおもちゃ
  • ゼミの後輩にもらったオタマトーン
  • その場で友達から譲り受けた歯ブラシ
  • ネットの問屋で30個くらい買い占めたウォーターゲーム
  • 前の会社で後輩からもらったものの、正直持て余している家庭用プラネタリウム
  • 電波を拾わなくなった電波時計
  • キッチンの棚にはまらなかったワイヤーラック
  • いつからあるかわからない古いサイリウム
  • 渋谷のゲームセンターで盗まれたMacBookProの外箱
  • いろいろあって会社を去った先輩から送りつけられたドローン
  • 別のハッカソンで参加者が置き去りにしていった桜の木
この複雑な表情を見よ。 この複雑な表情を見よ。

100均グッズから8万円のドローンという価格の振れ幅も見逃せないが、それぞれのエピソードがやたらと濃くてたまらない。一見まともそうに見えるバインダーでさえ、本来持ってくる予定だったもの(ヒョウタン)を家に忘れたため、その場でカバンの中から提供されたというミラクルっぷりである。

「忘れてきちゃいました……」 「忘れてきちゃいました……」

アイデア出しにはコツがある

自己紹介が終わると、その場でランダムに3〜4名のチームに分けられた。僕のチームには自分が持参した「MacBookの外箱」の他、「ドローン」「壊れた電波時計」「歯ブラシ」の4品が集まった。

どうしろと言うのだ。 どうしろと言うのだ。

大掃除の最中かと思うほどの統一性のなさに面食らっていると、渡辺さんから会場に対してアイディアの出し方についてのレクチャーが行われた。

要素を掛け合わせてコアを決める。 要素を掛け合わせてコアを決める。

じつはイベントの開催に先立ち、fabcrossとDMM.makeのメンバーによる予行演習が行われており、そこでの経験をもとに闇鍋を攻略するための方法が確立されていたのである。その手順を例とともに紹介すると、

1.モノの要素を書き出す
【炊飯器】→ 加熱ができる、ふたが開く
【魔法少女の杖】 → かわいい、光る、棒状である など

2.要素を掛け合わせてアイディアのコアを決める
加熱できる × かわいい → ???
(加熱 + 器)× 棒 → 綿菓子が作れる?

3.コアを軸に残りの要素を付け足す
「加熱する容器 × 棒 → 綿菓子」 + 棒状の杖 → かわいい綿菓子機!

というものである。この手順に沿って素材の要素を書き出し、掛け合わせていくことで、統一性のなかった素材たちをまとめ上げていくことができた。

時には迷走することもある。写真は「念力っぽい何か」。 時には迷走することもある。写真は「念力っぽい何か」。

アイディアが完成すると、実際の製作に移る。会場では充実した工作道具を自由に使うことができる他、技術スタッフも揃った万全のサポート体制が敷かれている。また、アイディアを実現するための「調味料」として、DMM.make AKIBAのジャンク品や他の素材を調達して利用することが認められていた。

硬いネジも簡単に外す、頼りになるスタッフ。 硬いネジも簡単に外す、頼りになるスタッフ。
ジャンク品に群がる参加者。 ジャンク品に群がる参加者。

素材を求めて電気街へ

僕のチームでは、目覚まし(壊れた電波時計)とドローンがアイディアのコアとなり、起きる時間になったら歯ブラシを持って枕元まで届けてくれる便利マシンが考案されていた。僕の持ってきたMacBookの箱はというと、緩衝用のスポンジとブランド感を生かし、機能と見た目の美しさを兼ね備えた良い具合の発射基地として利用されることになった。

目覚まし配達ドローン。 目覚まし配達ドローン。

そして、「朝らしさを出すためには、どうしてもバナナが必要だ」という話になり(主に僕が主張したのだが)、他の素材も求めて秋葉原の街に繰り出すことにした。

冬空の秋葉原を行く。 冬空の秋葉原を行く。
スイッチといえばここココ。 スイッチといえばここココ。

ドローンに取り付けるスイッチは、会場から徒歩数分の千石電商で手に入れることができた。ハッカソン中に買い出しに行くというスピード感はなかなか新鮮で、DMM.make AKIBAが秋葉原にあることの強みを体感した出来事であった。他にもいくつかのチームが調味料を求めて買い出しに行っていたようだ。余談だが、肝心のバナナにはなぜかなかなかありつけず、3店舗ほど移動してようやく手に入れることができた。秋葉原と果物は相性が悪いのかもしれない。

バナナでここまで喜んだのは久しぶり。 バナナでここまで喜んだのは久しぶり。

会場に戻ると、プレゼンテーションまで残り1時間。会場の部屋で実際にドローンを飛ばすことはできないため、別室を借りて映像を撮影し、大急ぎで編集することにした。

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