RepRap Community Japan インタビュー
オープンソースで3Dプリンタを作る!——次世代ものづくりコミュニティー「RepRap」
2014年はさらに3Dプリンタの普及が進む
——昨年のMaker Faire Tokyo 2013では、3Dプリンタ関連のブースはものすごい熱気でしたね。2014年はどういう方向に進んでいくと思われますか。
「Makers Faire Tokyo 2012で独自の3Dプリンタを出していたブースは2グループだけでしたが、Maker Faire Tokyo 2013ではRepRapだけでなく、さまざまなメーカーや、3Dプリンタ関連の企業も出展していました。2014年は一般の人たちをカバーするかたちで個人への普及がさらに進むと思います。
3DスキャナがiPadで使えたり、3Dデータをブラウザ上で作って保存できたり、離れた場所にある3Dプリンタに出力するなど、いろいろなことができるようになってきています。1000人規模の世界から100万人、1000万人単位で広めていくにはどうしたらいいかという模索の時代になっていくと思います」
——では、そういった流れの中でRepRapは今後どのように発展していくのでしょうか。
「まず日本に関して言えば、3Dプリンタに対する世間一般の期待度もありますので、しっかりした製品を出して、より多くの人への認知度や信用度を高めていくのが大切になってきますね。
また一方で子供の頃の図画工作を思い出してもらいながら、自分で組み立て、情報を共有することでコミュニケーションが生まれるような場を作る。言ってしまえば、技術とコミュニケーションの両方が伴って、いろんな人とつながっていくツールになれたらと思います。
RepRapは要請されて開発者が集まったわけではなくて、3Dプリンタが面白いから、僕もこれをやってみたいという人たちが集まったコミュニティーです。自分が作りたいからみんなコミットメントしているし、作ったものはみんなに見せたいからコミュニティーに見せてフィードバックを受ける。そうした本能的なものが根底にあるので、その流れで起業する人もいれば、趣味でやっている人もいます。
今後もいろんなベンチャー企業から3Dプリンタが出てくると思いますが、それを開発しているのは世界中の人たち。例えば、僕が一介のベンチャー企業の社長をしていたとして、自社製品をクローズドの環境で作るとなると自社で開発するための体制が必要ですよね。人を雇えば、その分スピードアップしますが、資本には限りがあるのでスピードは頭打ちになります。
RepRapが数年の間になぜ爆発的に世界中に広まったかというと、オープンソースにしてインターネット上で情報共有したからなんですよね。
RepRapという媒体があって、みんなが自由にアクセスできる状態の中で、トルコではこうなっているとか、ギリシャやイギリスの方ではこういう開発をしているという情報が流れたり、『新しい3Dプリンタ用のソフトを作ったよ! みんな作ったからやってみて!』という誰かが出てきたりしてオープン化する。一つの3Dプリンタのプロジェクトに対して開発者が世界中にいます。
情報をやりとりすることで気づきがあって、一人や仲間内でやるよりも早いスピードでものづくりが進みます。
そうしてRepRapは全世界を加速させるような媒体になっていくんじゃないかなと思っています」