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V-Sido 吉崎航インタビュー

ロボット操作を誰でも簡単に──制御システム「V-Sido」に込めた思い

ホビーモデルから高さ4mもの油圧式駆動人型四脚ロボット「クラタス」までを思いのままに操作できる制御システムの「V-Sido」。「ロボットが当たり前になる社会を作りたい」という思いから、ハードウェアではなくソフトウェアの分野からロボット開発に取り組むV-Sido吉崎航氏にお話を伺った。(撮影:加藤甫)

ロボットそのものではなく、いかにしてロボットを制御するか

2012年12月に開催された「Maker Faire Tokyo 2012」で最も注目された展示に、鉄の造形作家である倉田光吾郎氏が設計した高さ4mの人が乗れる油圧式駆動ロボット「クラタス」がある。そのクラタスの制御駆動システム「V-Sido」を開発しているのが吉崎航氏だ。

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「V-Sidoは、ロボットの形状などを入力することで、ロボットが自由自在に動けるようにする、リアルタイムシミュレータです。V-Sidoは、マウスで画面中のCGを動かすだけで、リアルタイムにロボットの全身の動きを生成し、動かすことができます。どんなロボットにも対応できる、まさにロボット制御のOSといえるソフトウェアなのです」

操縦は得意ではなかった

V-Sido株式会社の吉崎航氏。 V-Sido株式会社の吉崎航氏。

幼少期から、トランスフォーマーやガンダム、パトレイバーといったロボットアニメを観て育った吉崎氏。

中学生の時の自由研究のテーマが「物理的には8m級のロボットは作れる」という内容だったという。中学卒業後の自身の進路を考える上で、真剣にロボットを作りたいと考えたと吉崎氏は語る。

実際に動くロボットを作るためには、ハードウェアだけではなくロボットを制御するソフトウェアが必要だと考えた吉崎氏は、高等専門学校(高専)に進んで「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」(高専ロボコン)で設計や回路を学び、遠隔で操縦できるロボットコントローラの開発に勤しんだという。

その後、ロボットの目の部分である画像処理の技術を学ぶために千葉大学に編入。卒業後は奈良先端科学技術大学院大学へ進学し、産業技術総合研究所(産総研)でも研究を行っていた。

ロボット好きの多くは、ロボットを操縦したいと考えるのが一般的だが、操縦はあまり得意ではないという。

「私はロボットを操縦するインターフェースや、ロボットをどのように制御するかといったところに興味があったんです。高専ロボコンの時も、コントローラを開発したけど操縦は他の人に任せました」

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