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exiiiインタビュー

誰もが関われる次世代の義手を目指して——handiiiの開発と起業への道のり

3Dプリンタで出力したパーツとスマートフォンを制御に利用するという、これまでになかった筋電義手として「Gugen2013」の大賞受賞など注目を浴びている「handiii」。開発に取り組んだ3人が独立し、実用化や新しい義手のあり方を見据えながら今まさに進んでいる。exiiiの3人に開発から起業に関する話を伺った。(撮影:加藤甫)

コストとデザインの課題を解決した新しい筋電義手

exiiiの3人が開発したhandiii。外装や内部の機構を3Dプリンタで造形するなど、低コストとスタイリッシュなデザインが特徴の筋電義手だ。 exiiiの3人が開発したhandiii。外装や内部の機構を3Dプリンタで造形するなど、低コストとスタイリッシュなデザインが特徴の筋電義手だ。

近藤玄大氏、山浦博志氏、小西哲哉氏の3人によるexiiiが開発した筋電義手のhandiii(当初Handieでスタートしたが、後にhandiiiに名称変更)は、リンク機構を用いて指の3つの関節を1つのモーターで動かし、合計6つのモーターで制御させている。筋電を使った操作だけではなく、事前に指の動作を学習させ、スマートフォンを通じてhandiiiを操作させることもできる。外装や部品の多くは3Dプリンタで出力できるため、修理や交換なども容易に行うことができる。

大学で筋電制御技術の研究に携わり、卒業後はそのスマートフォンアプリ化に取り組んでいた近藤氏。同じ大学の先輩である山浦氏も手の機構を普段から追求していたという。そこで、シンプルな手の機構とスマートフォンを組み合わせて新しい筋電義手ができるのではと考えた2人は、「ジェームズダイソンアワード2013」への応募と、2013年11月の「Maker Faire Tokyo2013」出展を決意。山浦氏の会社の同僚だったデザイナーの小西氏を誘い、3人による開発へと取り組み始めた。

exiii CEO兼Co-Founderの近藤玄大氏。「これまでの課題を解決した新しい義手のあり方を模索していきたい」と語る。 exiii CEO兼Co-Founderの近藤玄大氏。「これまでの課題を解決した新しい義手のあり方を模索していきたい」と語る。

「世界中の研究機関が筋電義手を研究しているものの、現在販売されているものは数百万円と高価で、一部の人の手にしか届いていません。もっと安価で使い勝手のよいものが提供できないか。また、今の義手はあえて肌色に似せて義手だと分からないようにしていますが、もっとカッコよくデザインされた義手を装着して、手がないことを隠すのではなくて義手であることをもっと堂々としていられるようになればと考えました」(近藤氏)

義手のコスト面とデザイン面の課題。これらを解決するためにモーター数を最小限の6つにし、情報処理を自作の筋電センサーとスマートフォンのアプリで行ない、3Dプリンタでパーツを造形して組み立てることにした。また、3Dプリンタを使うことによって人それぞれに違う手の形にすることができ、個人の趣向に合わせた色やパーツの変更を容易にすることで、一つ一つをカスタムメイドで作ることができる新しい義手にできると3人は考えた。

「3Dプリンタを使う利点は、作り直しができるということ。3Dプリンタが一般化してきているので、交換や修理なども自分でできる義手というアイデアも自然とでてきました。デザインの視点からも、スニーカーみたいに着せ替えできる仕組みを盛り込むことでファッション的な要素も生まれ、義手のかっこよさを引き立てることができます」(小西氏) 

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