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BreadBoardManiacインタビュー

クラウドファンディングで始める、私が「欲しいモノ」のものづくり

「自分の欲しいものが無いなら作ってしまえばいい。でも、資金は?」——そんな問題をクリアすべく、クラウドファンディングを活用して開発し続ける会社が日本にあることをご存じだろうか。

BreadBoardManiac(ブレッドボードマニアック)は、電子工作ユーザーのかゆいところに手が届くツールを開発しているブランドだ。ロボット技術をベースとした試作開発を本業とするキビテクが運営している。BreadBoardManiacの製品開発では、企画段階からTwitterでユーザーと意見を交換し、資金調達はKickstarterなどのクラウドファンディングを活用。道半ばで資金調達をあきらめた製品があれば、その理由をブログにオープンするなど、Webを通じてものづくりのプロセスをユーザーとシェアしている。
ユニークな製品開発の裏側やクラウドファンディングを徹底活用してわかったことについて、代表の林まりかさんとデザイナーの高嶋直之さんに話を聞いた。(撮影:香川賢志)

「ワイヤーストリッピングゲージ」にワイヤーストリッパーをとりつけたところ。現在はBreadBoardManiacのオンラインストアから購入可能。 「ワイヤーストリッピングゲージ」にワイヤーストリッパーをとりつけたところ。現在はBreadBoardManiacのオンラインストアから購入可能。

BreadBoardManiacがクラウドファンディングサイトを使って製品開発を始めたのは2013年12月。「ワイヤーストリッピングゲージ」は、電子工作で使用するワイヤーを一発でぴったりの長さに切ったり、抵抗の足をボードに合わせて簡単に曲げたりするための補助ツールだ。

Kickstarterでの資金調達開始から4日で目標金額の8000ドルをクリア。最終的には目標の5倍以上にあたる42,858ドルを集め、半年後には1000人を超える支援者に製品を届けることができた。
支援者のうち、日本人は70人程度で大半が外国人。半数以上がKickstarterのお膝元であるアメリカだったが、中にはキプロスやレユニオンなど初めて知るような国からも支援があった。

「いろんな国で郵便番号のルールが違っていたり、小さな国だとそもそも郵便番号が無かったり、全員分まとめて送ろうとしたので結構時間がかかってしまいましたね。配送の手配だけでも2週間以上かかりました」(高嶋さん)

「自分たちでがんばって発送した後に、日本郵便が法人向けに海外発送のサポートサービスを提供していることを知ったりとか苦労は色々とありましたが、自分自身が欲しいと思って作ったものがキプロスで電子工作をしている人にも共感してもらえたのは嬉しかったですね。
他にも台湾で教育向けの電子工作をしている人たちから連絡があって、台湾のMaker Faireに呼んでいただいて、現地でもいろんなところに案内してもらいました。そのときにKickstarterで自分たちを世界にアピールできるなと思いましたね」(林さん) 

キビテクの代表をつとめる林まりかさん(左)とデザイナーの高嶋直之さん(右)。林さんが企画し、高嶋さんがプロダクトにする役割だ。 キビテクの代表をつとめる林まりかさん(左)とデザイナーの高嶋直之さん(右)。林さんが企画し、高嶋さんがプロダクトにする役割だ。

元々は大学でロボコンサークルに入り電子工作の面白さに目覚めた林さんが「自分が欲しいと思うものを作りたい」というコンセプトから始まったという。

「私が電子工作をやっていて、こういうのがあったらいいなと思って考えたものに欲が出てきて、製品化できないかなと思って始めたのがきっかけです。会社員だったころから土日に友達同士で集まっていろいろと作っていて、5年ぐらい前にシリコンゴムで柔らかいブレッドボードを作ってMakeに出したら面白いねって言ってくれる人がけっこういたんですね。その後、他のことをいろいろとやって会社を設立した後で『やっぱり、あれやりたいな』と思って、正式に立ち上げました」(林さん)

「僕は電子工作は全くやったことが無かったんですけど、BreadBoardManiacというプロジェクトをやりたいという会社の意向で配属されて、そこから電子工作を始めました。最近では初心者向けのプロダクトの企画も担当しています」(高嶋さん)

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