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XYZプリンティングジャパン サイモン・シェン インタビュー

「2030年に会いましょう」台湾の巨大EMSが3Dプリンタで描く未来の日常

「PCと同じように一家に1台、職場にも1台ずつ普及すると思います。30年前にPCが普及し始めたとき、1人1台なのか、1台をみんなで共有して使うのかということが議論されましたが、1人1台どころか、1人が何台も所有するという時代になってきています。同じように携帯電話が出始めた頃、私の父は1人1台もいらないと言っていましたが、今では誰もが携帯電話を持っています。

3Dプリンタにおいて一番大事なのは、人々の生活の中でどういう形で存続するかということです。優秀な人材や企業がさまざまな技術を開発し、幅広い材料を、より早くプリントできるようになりつつあります。

30年後には自分の洋服や眼鏡、靴を、3Dプリンタでプリントする時代が来るのではないかと思います。
そうなると3Dプリンタという名称じゃなくて『ドラえもんボックス』と呼ばれているかもしれませんね(笑)」 

——30年後にはどのような3Dプリンタが必要とされると思いますか?

「十数種類ある3Dプリンタのプリント技術のうち、20年後にどの技術が残っているかは分かりません。ですから、私たちはあらゆるプリント方式のプリンタを開発し、その時々にベストなものを提供していきたいと考えています。今後の需要としては、例えば1台で複数のプリント方式が使えて、かついろいろな材料も使えるプリンタが望まれると思います。違うプリント方式のプリンタを4台、5台と並べるのはあまり現実的じゃありませんよね」 

CES2015に出展されたフードプリンタ「3D Food Printer」(撮影:鈴木淳也)。 CES2015に出展されたフードプリンタ「3D Food Printer」(撮影:鈴木淳也)。

——そういった未来の需要の中に、先日CESでも披露されたフードプリンタがあるかと思います。アジア圏よりも需要が高いことを背景に、欧米では多くのメーカーが開発を進めています。

「そうですね、欧米での反応は私たちの予想を上回るものでした。CESではチョコレートやクッキー、ピザなど欧米の食べものをプリントしましたが、今後はアジア系の食べものもプリントできるようしたいと思います」 

CESではフードプリンタで出力されたクッキーやピザが振る舞われた(撮影:鈴木淳也) CESではフードプリンタで出力されたクッキーやピザが振る舞われた(撮影:鈴木淳也)

——餃子とか?

「そうですね、他には天ぷらも考えています。日本の場合は、日本のパートナーと組んで日本の文化、習慣、食文化に合わせたものを開発していこうと考えています。フードプリンタは2015年10月から12月の間に発売の予定で、既に欧米やアジア圏のいろいろなメーカーから問い合わせがかなり来ています。現在は展示したときにいただいご意見をもとに、台北本社で開発を進めている最中です」 

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