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XYZプリンティングジャパン サイモン・シェン インタビュー

「2030年に会いましょう」台湾の巨大EMSが3Dプリンタで描く未来の日常

CESで出展された「グリーンキューブ」。会場では399ドルで販売するというパネルも展示されていた(撮影:鈴木淳也)。 CESで出展された「グリーンキューブ」。会場では399ドルで販売するというパネルも展示されていた(撮影:鈴木淳也)。

2030年の生活

——CESではグリーンキューブ(野菜や植物の育成キット)も出展されました。3Dプリンタ以外の製品も開発されるようですが、製品開発における共通項はなんでしょうか

「共通点といえるものは、2030年の人々の生活です。

私たちが開発しているものが15年後には人々の生活の中にあると思っています。例えばノートPCやスマートフォン、こういったものは15年前にはほとんど普及していませんでした。それと同様に15年後に残っているかどうかも分かりません。ですから、15年後にあるものを私たちは作ろうとしています。15年後、私たちが今開発して販売しようとしているものが皆さんのご家庭にあれば、それで成功だと思ってください。

未来のものづくりの視点で言えば、過去から現在にかけて必要なものは買うというのが一般的でした。15年後には、必要なものは3Dプリンタを使って自分で作るという流れになると私たちは思います。2030年には自分でプリントしたサングラスを身につけるかもしれないし、自分が食べる小籠包は自分のプリンタでプリントして、自分で食べる野菜は自分のグリーンキューブで栽培した野菜で、自分が着るものも自分でプリントする。そんな方向に進むのではないかと思います」 

XYZプリンティングの製品開発ロードマップ。2015年の早いタイミングにCESで発表した349ドルのFFF方式プリンタ「da Vinci Jr」が、2016年にはフードプリンタの第2弾が投入される。また、この図では触れていないが、3Dスキャナ製品の販売も検討しているという。 XYZプリンティングの製品開発ロードマップ。2015年の早いタイミングにCESで発表した349ドルのFFF方式プリンタ「da Vinci Jr」が、2016年にはフードプリンタの第2弾が投入される。また、この図では触れていないが、3Dスキャナ製品の販売も検討しているという。

——過去に取材したファブラボでも、物を売り買いする社会から、なるべく地元で必要なものを作って、愛着を持って長く使っていく社会に変えていこうという意見がありました。しかし同じデジタルファブリケーションの中でもメーカーからこういったお話を聞くのは初めてです。

「人びとの行動は徐々に変わってきています。この行動が変わるのに30年は必要です。例えばアメリカでは人々が買うお店といったら近くの雑貨店だったものが、チェーン店に変わり、さらに大型量販店に変わろうとしています。一方、毎回車で通うのも不便なので、近所のコンビニエンスストアにも行き、出かけるのも面倒な場合はECサイトで済ませているわけです。でもECサイトの商品も、誰かが作って出荷しECサイトから誰かが家まで送るわけです。ここで、私からの質問です。ネットショッピングの次は何ですか?」

——購買履歴からシミュレーションしてドローンが必要なものを頼まなくても届けてくれるようになる、とかでしょうか

「それは運送の形態を変えただけでビジネスモデル自身に変わりはありません。じゃあ、答えを言いますね。(その場にいた記者に耳打ちするように)それは3Dプリンタです(笑)。要はいちいち買わずに自分で作ればいいわけです。信じられないかもしれないし、変なことを言っているように思われるかもしれませんが、でもこういった時代の流れの中で、メーカーとして3Dプリンタを生産できるのは嬉しいことです。Amazonのようなイノベーションを起こす会社を作るのは、この記事を読んでいるあなたかもしれない。15年後はどうなっているか本当にわかりません」

——ありがとうございました

「冗談を言っているように見えるかもしれませんが、私は至ってまじめです。信じてください。2030年にお会いしましょう!」 

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