明和電機&タカハ機工インタビュー
地方メーカーが明和電機とコラボしてコンテストを始めたわけ
ある日突然やってきた大量オーダー
ソレコンのきっかけは2007年にオンラインストアをオープンした頃までさかのぼる。
「オンラインストアを始めたら個人のお客様から注文をかなりいただくようになって、そのお客様から『こんなものを作りました』ってメールや郵便で連絡が来るようになったんですね。ソレノイドを使った鳩用の自動給餌器とか、ソレノイドを使って楽器を演奏する様子とか面白いものをどんどん作っているのを見て、もっとたくさんの人に見てもらえる場があるといいなと思いました。コンテストという形であれば、多くの人の目に留まるだろうと思って始めたのが2013年の第1回ソレコンでした」(大久保千穂さん)
コンテストを企画にあたって一番の悩みはソレノイドと親和性の高い審査員を起用することだった。
「審査委員長を有名な人にしないとソレコンに箔がつかないので、誰がいいかずっと考えていました。そんなある日、個人から大量の注文が来て納期が厳しいので断ろうとしていた社員がいたんです」
その大量の注文をした人こそ明和電機の土佐さんだった。
「ソレノイドはよく使っていて、シンプルで制御が非常にしやすいということで、大好きな機械部品です。六甲オルゴールミュージアムにある1930年代に作られた巨大自動演奏オルガンをコンピュータで制御する企画を進めているときにどうしてもソレノイドが120個必要になったんです。納期も迫っていたので、これはもう、すぐに買える所じゃないと駄目だと思い、ネットで調べまくったら、唯一タカハ機工さんがオンライン販売されていたんです」(土佐さん)
「初め、土佐さんのことを知らない社員が納期に間に合わないのでお断りしようとしていたのですが、それを横で聞いて明和電機さんの過去の作品を思い出し、『ソレコンの審査員を頼むのはこの人しかいない!』ということで『断らずにとにかく作って』とスタッフに言って」(大久保千穂さん)
「10~20個であれば常に在庫があるので対応できるのですが、100個単位のオーダーとなるとさすがに在庫をそろえていません。ただ、私どもは部品から製品まで自社で一貫して生産しているので、なんとか間に合わせることができました」(大久保泰輔さん)
「注文の2週間後『ソレコンの審査員をお願いできないか』と断りづらいタイミングでオファーして、快諾していただいたんです(笑)」(大久保千穂さん)