オライリー・ジャパン「Maker Faire Tokyo」運営スタッフインタビュー
Makersの「見せたい」「見たい」を実現するMaker Faireは初心を忘れない!
3年で来場者1万人を超える
——その後の4回は東工大でした。
OJ:東工大でも場所の問題は変わりません。体育館が中心でしたけど、キャンパスの地図を見ながら、この講堂は使えませんか?、この施設は使えませんか?と、少しでも空きスペースがあれば、1本でも多く机を置けるように交渉する感じでしたね。
出展を希望する方には1人でも多く出てもらいたい。新しい人にも出展してほしい。その一心で場所を探しました。また私たちスタッフだけでは当日の運営は不可能ですから、多くのボランティアの方に支えてもらいました。多くは出展者の方だったり、来場を機に協力してくれる方だったりしました。「運営者と出展者/来場者の垣根のないイベント」といった雰囲気が自然と醸成されて、それはそれでよかったと思います。
——そして2011年の冬には来場者が1万人を超えました。
OJ:もちろんうれしかったのですけど、「次はどうしよう」という不安も大きかったですね。企業の出展も増えてきたし、いつまでも大学関係者の方に甘えているわけにもいかない。いよいよ有料の会場を探さざるを得なくなりました。来場者から入場料もいただくことになるし、一種の賭けでしたね。
——それで2012年12月に日本科学未来館で開催したMaker Faire Tokyo 2012となるわけですね。
OJ:いろいろあって名称もMake: MeetingからMaker Faireに変えました。でも中身まで変わるわけではありません。いつものように会場に島を作って机を並べてみると、やっぱりメイク(Make:)のイベントの雰囲気になりました。
——とはいえ大企業の出展も増えて、イメージも変わってきたのではないですか?
OJ:企業の出展の場合は、通常のビジネスフェアとは異なるので、事前に担当者の方としっかりお話しさせていただいています。でも意外に話をしにいくと、すでに来場したことがあったり、中には個人で出展していた人がいたりと、皆さんよくご存じです。カルチャーは理解していただいているので、大企業であっても雰囲気はなじんでいるように思います。
そしてビッグサイトへ
——入場を有料にして結果はどうでしたか?
OJ:Maker Faire Tokyo 2012は、出展者300人有料入場者数9000人でした。思ったほど入場者数が少なくならなかったのは幸いです。ちょうど同じ頃、2012年秋にクリス・アンダーソンの「Makers」が出版されて、Makerムーブメントがメディアにも取り上げられるようになりはじめました。また3Dプリンタも各社から発売されて、ひろく知られ始めたのもこのころです。そんな背景もあったように思います。
——そして昨年の11月に続き、今夏のビッグサイト開催となるわけですね。春にニュースが流れた瞬間にMakersがざわざわしました。みんな秋か冬だろうと油断していたと思います。
OJ:会場の関係等で結果的にこうなっただけなのですが。たぶん発表したらみんなびっくりするだろうな、とは想像していました。秋を目指してものづくりしていた人が、早めなくてはならないわけですから。ご迷惑をおかけして申し訳ないです。