オライリー・ジャパン「Maker Faire Tokyo」運営スタッフインタビュー
Makersの「見せたい」「見たい」を実現するMaker Faireは初心を忘れない!
新しい仕掛け
——Maker Faire Tokyo 2015ではどのあたりが注目となりそうですか?
OJ:Webサイトでも発表していますが、ハッカソンから出て来たハードウェアスタートアップに関わる出展が多いのは特徴的ですね。皆さん、作って受賞した後に、人に見てもらう機会がなかなか無いようです。教育関係の出展者が多いのも特徴のひとつです。昔からエンジニアのお父さんが家族を連れて見に来るパターンはあったのですが、今回は夏休みの最中ということもあり、それを見越しての出展ということかと思います。また、いくつか復活する出展がありますね。野外ライブも初日の夕方に予定しています。
——やはり家族連れが増えそうですか?
OJ:それはありそうですね。でも、Maker Faire Tokyoの場合、以前からメディアアート寄りということで、技術者だけでなく、学生が多かったり、女性が多かったりしましたから、そこは変わらないと思います。出展者の方からは、入場料が有料になってから物販の売上が増えたと聞いています。お祭りの雰囲気もあるでしょうが、来場者が出展者を応援する気持ちの表れでもあるようです。
——運営者からの新企画はありますか?
OJ:YouTubeで話題になったメントス×コークショーのステージとか、各種の子ども向けワークショップとか。ヘボコンの水上バージョン「水ヘボコン」もやります。実はこの企画、数年ごしの恩返しなんですよ。水ヘボコンの企画を手伝ってくれていて、審査員もつとめてくれる水中ロボコンの増田さんは、第2回からのMTMの出展者で、人が乗れる戦車を手作りしたんです。彼も当時は学生でお金がなくて、埼玉の日本工業大学から会場の多摩美まで作品を運べず困っていました。道路を自走するというわけにもいきませんから、私たちで移送費用を持ちました。少ない額ではなかったので、そのときは上司に怒られました。あれから6年たって、今年水モノのイベントを企画しようとした私たちに、プールを貸してくれたりと、恩返しをしてもらったように思います。
未来のMaker Faire
——リリースを見ても、メントスコーラショーや水ヘボコンなど楽しみな企画が目白押しですね。ビッグサイトは日本におけるカンファレンスの聖地といえます。失礼ですが、河川敷からの変遷を聞いていると、路上ライブでデビューしたシンガーが武道館公演にこぎつける、そんな印象です。最後にMaker Faireの今後についてお聞かせください。
OJ:主催者としては、ハラハラドキドキの連続で1回1回が勝負です。将来について話すときは、「今回何もなければ」が枕詞になってしまいます。火だとか、音だとか、電気だとか、いろいろな条件がありますが、希望する出展者の方には全員出展していただきたい。その思いは昔から変わりません。ただ、もう少し主催者側からの仕掛けは増やしていきたいですね。少しずつですが、リソースも増えてきたので。東京の独自性もアピールしながら、地方や海外との連携も考えていきたいという希望もあります。