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スマート農業センサSenSprout

導電性インクから世界の農業変革へ、既存品の10分の1の低コストを実現するスマート農業センサSenSproutが目指すもの

プロユース向けの製品版で目指すもの

クラウドファンディングのリターンで出荷されたロゴ入りのボックスと、コンシューマ向けプロトタイプに位置づけされる工作キット。 クラウドファンディングのリターンで出荷されたロゴ入りのボックスと、コンシューマ向けプロトタイプに位置づけされる工作キット。

プロユース向けの製品版については、「まず、通信機能を付けたいと思っています。パソコンなりスマホにデータを送り、それをアプリケーションで確認しながら水やりのタイミングがわかるようになります」と語る。リターンで出荷した工作キットにも、BLE(Bluetooth Low Energy)が追加できるように設計されているという。

プロユース向けは、2014年から実証実験を行っている。茨城県や北海道、東京など国内数カ所にスマート農業センサを設置。150カ所以上のビニールハウスや路上で分析を行っている。プロユース向けはコンシューマ向けとは異なり、子機と親機でデータ通信を行う設計になっている。子機は親機とZigBeeで通信し、親機は3GやLTEでサーバにデータを送信する。一つのビニールハウスに対して、子機10台、親機1台を設置することを想定。計測できるデータも工作キットでは水分量のみだが、プロユース向けでは温度も計測可能。深さも4段階で計測できるなど、精密農業にも生かせる設計。 

さまざまな環境下で実証実験を行っている様子(写真提供:三根一仁氏) さまざまな環境下で実証実験を行っている様子(写真提供:三根一仁氏)

給電は子機が単1電池4本で駆動し、親機はコンセントまたはソーラーシステムから電源を確保している。今後は省電力のチップに差し替え、電源なしでも駆動するように実験を進めている。また、ソラコムのようなSIMを子機に設置し、親機なしでサーバにデータを送信することを目指している。三根氏は国内ではなく、インドやアメリカ西海岸などの方が早くサービスが浸透すると考えている。土の中のデータを取得するソリューションを生かし、「今日は水をやらなくていい」という工数のコスト削減や、経験に左右されないノウハウのデータ蓄積ができ、農業用水の水分量を減らせる可能性がある。

三根氏が次のステップとして目指しているのは、ビニールハウス内のファームオートメーションである。

「土の水分量が足りなければ自動で水をやり、温度の変化も空調で管理して、人が監視していなくても自動的に農作物の栽培ができるようにしたいですね」 

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