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スマート農業センサSenSprout

導電性インクから世界の農業変革へ、既存品の10分の1の低コストを実現するスマート農業センサSenSproutが目指すもの

クラウドファンディングのリターンは量産経験を生かした工作キット

工作キットはシンプルな設計で簡単に組み立てることが可能。クラウドファンディングの募集期間が終了してから3カ月後には出荷を開始した。 工作キットはシンプルな設計で簡単に組み立てることが可能。クラウドファンディングの募集期間が終了してから3カ月後には出荷を開始した。

IoT製品はクラウドファンディングに出すのが当たり前という傾向がある。在庫リスクを考えずにどういう反応があるかを知るきっかけとして、クラウドファンディングはとても有効である。製品に触ってもらって意見を聞いたり、販売価格についての感想を聞いたりなど、マーケティングの効果は高い。

SenSproutはIndiegogoで目標金額を1日で達成した。短期間で成功したこつについては、「目標設定が低すぎたのかもしれませんが、友人や同僚が応援して買ってくれたことがとても助かりました」と語る。1日で目標を達成したことがよいのか悪いのかはわからないが、まず、金額を高すぎないようにすることと、死ぬ気で友人や同僚にお願いしてお金を集めることが重要。お金が集まってくるとサイトやメールマガジンのピックアップのリストに掲載されるので、さらに集まりやすくなり、「この流れをいかに作るかが一番重要です」とのこと。

最近のクラウドファンディングのプロジェクトでは、リターンが届かないという問題も多い。SenSproutも、クラウドファンディングのリターンの設計に一番苦労したという。

「リターンを届けられない原因はいろいろとありますが、量産経験がないことが大きいと思います。想定よりもお金が掛かったり、時間をかけ過ぎたり、さらにエレクトロニクス製品を販売する際には法律もクリアしなくてはいけません」

そこで、完成品ではなく、工作キットとしてリターンを設計した。工作キットは通信モジュールを載せていないので技適マーク取得の届出も必要がなく、必ずリターンができるように設計を工夫している。また、全体の半分は海外から応援が集まっているという。2015年10月にクラウドファンディングの募集期間が終了し、2016の1月には順調に海外にも出荷。海外の法律にも対応が必要な設計だと、このスピードは難しかったと思われる。

工作キットはシンプルな設計で、組み立ても非常に簡単である。さらに、将来の量産を意識した設計で無駄がない。こういったプロダクトの筐体は金型を使うことが多いが、筐体側の部品は4点あり、このサイズにしては金型を多めに使わないといけないことから、3Dプリンタでプリントしている。金型は、将来設計が変わると無駄になってしまう可能性もある。形を変更しやすいパーツや量産数が少ないものであれば、3Dプリンタやレーザーカッターを使う方がコストダウンができて効率もよい。 

クラウドファンディングでリターンした工作キット。部品点数は8点。単4電池で1年くらい駆動できるように設計されている。 クラウドファンディングでリターンした工作キット。部品点数は8点。単4電池で1年くらい駆動できるように設計されている。

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